宇江佐真理さんの最新文庫『神田堀八つ下がり―河岸の夕映え (徳間文庫)』を入手する。宇江佐さんの作品は読み味がよくて、お気に入り。今回は、御厩河岸、竈河岸、浜町河岸など、6つの河岸を舞台にした6つの人情話を収録し、ほろり&ほんわかが期待できそう。
今からは想像しにくいが、江戸の町は四方八方に水路が張り巡らされた水の町であった。そのため、時代小説と橋、川、堀は切っても切れない密接な関係がある。『~の橋』と題名に付く作品が多い澤田ふじ子さんや橋廻り同心を描いた藤原緋沙子さんなど、とくに橋が題名に付く作品が多い。そんな中で、橋ではなく、河岸に注目したのは面白い。そういえば、藤沢周平さんの晩年の作品に、『日暮れ竹河岸 (文春文庫)』があった。
『神田堀八つ下がり―河岸の夕映え (徳間文庫)』の表紙は江戸情緒にあふれた構成になっている。中心には小村雪岱(こむら・せったい)の「河岸」が描かれ、その周りには歌川広重の「名所江戸百景」の「芝うらの風景御厩河岸」を使用し、さらにいせ辰の千代紙をコラージュしている。
歌川広重の「名所江戸百景」は、切手サイトに詳しく載っていた。
http://www41.tok2.com/home/fwkf8336/edo100kei/meisyoedo100kei.htm
- 作者: 宇江佐真理
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