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相馬大作事件に材を得た宇江佐作品

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会社のデスクの中を整理していたら、宇江佐真理さんの『三日月が円くなるまで』が見つかった。文庫の新刊で発売されたときに購入し、そのまま埋蔵された本。パラパラとめくっているうちに、ユーモアがある温かさの中に凛とした美しさがある宇江佐ワールドに引きずり込まれていった。

主人公の刑部小十郎は仙石家の藩士の嫡男で、故あって藩の長屋を飛び出して市中の古道具屋の家作に暮らすことになる。そこで、町場の暮らしの中でさまざまな経験をして成長していくのだが…。

主人公の仙石藩は陸奥の南部藩が、仙石藩とライバル関係にある島北藩は津軽藩がそれぞれモデルになっている。そして、物語では、相馬大作による「檜山騒動」がモチーフとして描かれているのが興味深く面白い。

三日月が円くなるまで 小十郎始末記 (角川文庫)

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