2018年8月11日から8月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2018年8月の新刊 中」を掲載しました。
お盆休みが入り、出版点数が極端に少ない今回。取り上げるのは岩波文庫から刊行される、塚原渋柿園(つかはらじゅうしえん)の『幕末の江戸風俗』です。幕末から明治、大正を生きた歴史小説家の先駆者による、随想集です。
塚原渋柿園(1848─1917)は、江戸から明治への転換期を生きた文学者。喪われた江戸を伝える多くの随想、講演を残した語り部であった。幕末の武士、庶民の生活、風俗習慣、時代の変動描いた本人の体験に基づく証言は、歴史的価値があり、何より江戸を知るための興趣尽きない読み物として楽しめる。
塚原渋柿園は、嘉永元年(1848)、幕臣の子として生まれます。沼津兵学校、静岡医学校などで学び小学校教員を経て、新聞社の雑報記者、新聞小説家として活躍されます。「敵討浄瑠璃坂」などの歴小説を書き、岡本綺堂や大佛次郎に影響を与えています。
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『幕末の江戸風俗』(塚原渋柿園・岩波文庫)
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