2018年6月11日から6月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2018年6月の新刊 中」を掲載しました。
今回も読みたい新刊が目白押しで、どれから読み始めるか、本当に迷っています。
祥伝社文庫から刊行される、志川節子(しがわせつこ)さんの『花鳥茶屋せせらぎ』を取り上げてみたいと思います。
花鳥茶屋「せせらぎ」は上野不忍池に面したおよそ六百坪の敷地に、珍しい鳥を集めた禽舎や植物を配した行楽の苑であった。いかがわしさとは縁遠く、女子供にもたいそう受けがよい。子供のころ、手習いの師匠が語ってくれたさまざまな鳥の話に、足が痺れるのも忘れて幼馴染みたちと聞き入った勝次は、ここ「せせらぎ」で鳥かご職人の修業中だった。弟子入りして五年、仲間も皆、巣立ちの時を迎えようとしていた…。
(単行本刊行時の「BOOK」データベースより)
表紙の装画に描かれた鳥の美しさに惹かれました。
舞台になる花鳥茶屋は、現代の“鳥カフェ”か野鳥園にあたりそう。
町人文化が栄えた文政期。江戸・上野の花鳥茶屋に集う十代の若者たちの成長(巣立ち)を描く、短編連作小説。
熱心な愛鳥家でもあったという、戯作者の曲亭馬琴が彼らを巣立ちに導く案内人を務めるのも興味深いですね。
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『花鳥茶屋せせらぎ』(志川節子・祥伝社文庫)