『文蔵 2017.9』(PHP研究所・PHP文芸文庫)の特集は、幻想的作品からホラー、感涙作まで 真夜中にどっぷり浸りたい小説 です。
もうすぐ秋。
夜長に、独り読書に耽りたいという人も少なくないのでは?
今月号の特集では、つい夜更かししてしまうような魅惑的なおすすめ小説9編を、ライターで書評家の石井千湖さんが紹介します。
作家の森見登美彦さんと澤村伊智さんへのインタビューも収録しています。
時代小説ファンとしては、強力な連載が楽しみです。
葉室麟さんの「暁天の星」
あさのあつこさんの「おいち不思議がたり 飛翔篇」
山本一力さんの「献残屋佐吉御用帖 亀久橋のくま」
宮本昌孝さんの「天離り果つる国」
信長の時代を舞台にした、「天離り果つる国」に、白川郷帰雲城の城主として、内ケ嶋氏理(うちがしまうじただ)が登場します。
この内ケ嶋氏は、領地の鉱山経営で力をつけていきます。しかし、天正十三年(1585年)11月に、白川郷一帯を襲った大地震(天正地震)によって、内ヶ嶋一族含め領民は生き埋めにあって、死に絶えて滅亡します。
時代小説でこれまであまり描かれることがなかった、内ケ嶋氏の悲劇が、今後描かれていくのか気になります。
なお、内ケ嶋氏は金山を発見したともいわれ、大地震で一族滅亡したことから、埋蔵金伝説も残っています。
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『文蔵 2017.9』(PHP文芸文庫)