池波正太郎さんの代表作『鬼平犯科帳』シリーズから選び抜いた名言を収録した、『鬼平の言葉 現代を生き抜くための100名言』が文藝春秋・文春ムックから刊行されました。
本書は、全24巻からなる『鬼平犯科帳』シリーズから、「鬼の平蔵」こと、火付盗賊改方長官・長谷川平蔵の言葉を中心に、100の名セリフを採りあげ、合わせてそのセリフが発せられる場面を紹介する、名場面集です。
本書は、平蔵が何故“鬼”と呼ばれるのか、その生き方はどのようなものか、鬼平の言行を中心に、部下や密偵や家族たちの心や、盗賊たちの矜持が込められたセリフを採りあげて解説し、八つの章に再構成してみた。
「はっ」と胸を衝かれたり、「なるほど」と膝を打ったり、深く心を打たれ噛みしめたり、そんな名言の数々から鬼平の魅力をご紹介したい。『鬼平犯科帳』を知っている方も、知らない方も必読の「鬼平語録」だ。
(『鬼平の言葉 現代を生き抜くための100名言』P.5「はじめに――心を揺さぶる鬼平の言葉」より)
100の名言の解説は、編集&ライターで時代小説の目利きの青木逸美(あおきいづみ)さんが執筆されています。
小を見捨てて大が成ろうか
これよりも、人の怨念を背負って生くるまでじゃ
男には男のなすべきことが、日々にある
時のながれほど強い味方はないものだ
人のこころの奥底には、おのれでさえわからぬ魔物が棲んでいるものだ、ということだ
………
凶悪な賊は容赦なく取り締まるが、改心した者には情味あふれる裁きを下す、鬼平の人間的な魅力が味わえます。
若い頃に家を出て放蕩無頼の日々を送り、この世の裏側や恥部を見てきたことから、人情の機微にも精通し、清濁併せのむ。
そんな人間通の鬼平に惹きつけられる者も多いですね。
鬼平を理想の上司とあげる人もいます。
鬼平に心服した盗賊は進んで密偵となり、命がけの働きをします。
名セリフから、昔読んだ『鬼平犯科帳』の世界がパッと目の前に広がります。
本書を手の届くところに置いて、弱ったときや疲れたとき、負けそうなときに開いて、自分に喝を入れたいと思います。
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『鬼平の言葉 現代を生き抜くための100名言』
『鬼平犯科帳 決定版(一)』