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浅間山大噴火前年の怪異探索行と、噴煙に消えた素浪人

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素浪人半四郎百鬼夜行(拾遺) 追憶の翰芝村凉也(しばむらりょうや)さんの文庫書き下ろし時代小説、『素浪人半四郎百鬼夜行(拾遺) 追憶の翰(ついおくのかん)』が講談社文庫から刊行されました。

火を吐く浅間山で身を挺して闘った榊半四郎と、謎の老人・際野聊異斎、小僧の捨吉の三人組の生死は杳として知れない。
浅間山大噴火の前年、半四郎は聊異斎に誘われて、捨吉と三人で、江戸以外の地の怪異を調べるために、関八州の旅に出る。最初に向かったのは、下総国の寒川村の漁村だった。
船幽霊が出て、出漁していたその村の漁師が戻らず死体も浜に打ち上げられないことが、三度続いたという……。

本書は、「素浪人半四郎百鬼夜行」シリーズの10作目にして、完結編になります。巻名に付されている、「拾遺」というのは、漏れ落ちている事柄や作品を拾い補うこと。「翰(かん)」には、筆または筆で書いたものという意味があります。
前作『終焉の百鬼行』で壮大なスケールで日本滅亡の危機に立ち向かう半四郎の奮闘を綴っていて、気になるのは噴煙の向こうに消えた三人組の行方です。

今回、物語は噴火の前年にさかのぼります。
下総国の漁村に出没する船幽霊や、下野国の平家の落人集落の異神といった怪異探索の旅が綴られていきます。
これまで取り上げられなかったエピソードを挿入することで、三人組への追憶と喪失感が高まり、最終話「桃源郷」へ。

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『素浪人半四郎百鬼夜行(拾遺) 追憶の翰』
『素浪人半四郎百鬼夜行(一) 鬼溜まりの闇』