2016年3月21日から3月31日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2016年3月の新刊 下」を掲載しました。
今回の注目しているのは、KADOKAWA・角川文庫の新刊です。辻堂魁さんの『刃鉄(はがね)の人』が刊行されます。
時は元禄。一戸前国包は京橋南の弓町で刀鍛冶を営み評判を呼んでいた。家宝の刀に魅せられて以来、武士の身分を捨て刀鍛冶に心血を注いできたが、ある時、本家を通じて老中格・柳沢吉保の配下から密命が下る。武蔵川越領で村人を斬殺した旗本の子弟を斬ってほしい、と。「天稟の素質」と言われた神陰流の達人である国包の下した決断は……。
辻堂さんの待望の新シリーズ。鍛え抜かれた刃鉄のように美しくて強靭、そして孤高の主人公。神陰流の達人でありながら、武士を捨てて刀鍛冶になるというプロフィール。しかも、将軍綱吉の懐刀・柳沢吉保がストーリーに絡んできます。ここまで聞いただけで涎がこぼれ落ちそうになる御馳走です。