中路啓太さんの『己惚れの記』を時代小説ブックガイドにアップしました。
天保の改革をテーマに描く骨太の武家時代小説。
本書の主人公は、老中首座水野越前守忠邦の家臣だった物集女蔵人。かつての武士の世界、幕府が本来あるべき姿を取り戻そうという忠邦の理想に共鳴して、同じ家臣で盟友の恩田六左衛門とともに、主君に誠心誠意、仕える日々を送っていた。
しかし、忠邦の叔父の息子・水野主馬が商人を斬り殺してしまう事件が起こる。事実が明らかになれば、政敵から追い落とされて忠邦の理想が頓挫してしまうと思った蔵人は、主馬の罪をかぶり、新島に遠島になる……。
(更新日:2013年6月16日、全1138タイトル)⇒「時代小説ブックガイド・目次」)