2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

【新着本】二見時代小説文庫2025年3月の新刊。兄の代わりに捕物を

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『盗っ人から盗む盗っ人 2 盗っ人問屋』 『川流れ慕情 あやかし捕物帖3』 『米価の闇 剣客旗本と半玉同心捕物暦5』

2025年2月下旬に刊行された、二見時代小説文庫の新刊3冊をご紹介いたします。

藤水名子さんによる『盗っ人問屋』は、痛快な盗賊シリーズ第2巻です。
奈良谷隆さんの『川流れ慕情』は、鬼の気を持つ岡っ引き・妙(たえ)が活躍する人気シリーズの第3弾。
早見俊さんの『米価の闇』は、米不足が話題となる今こそ読みたい、時代を映す一冊です。

今月の3作品の装画はいずれも安里英晴さんが手がけています。

盗っ人から盗む盗っ人 2 盗っ人問屋

盗っ人から盗む盗っ人 2 盗っ人問屋(二見時代小説文庫)藤水名子
二見書房・二見時代小説文庫

カバーイラスト:安里英晴
カバーデザイン:ヤマシタツトム(ヤマシタデザインルーム)

盗賊から盗んだばかりの金箱を奪う、狐面をつけた黒装束の男たち。それは《唐狐(からぎつね)》と呼ばれる一味の仕業でした。かつて盗賊に両親と奉公人を殺され、生き残った廻船問屋の一人息子と手代が、小間物屋を表の顔に、新たな盗っ人稼業に手を染めることに。

「盗っ人から盗む盗っ人」という、早口言葉のようなユニークなタイトルも印象的なシリーズ第2弾です。

あらすじ

娘たちに人気の小間物屋の正体は盗っ人《唐狐》。

錺簪(かざりかんざし)で江戸の娘たちから人気を集める小間物屋《高麗屋》。その主・東次郎は、老舗呉服問屋《出羽屋》庄右衛門の宴席に招かれます。しかし《高麗屋》の裏の顔は、悪名高い盗っ人からさらに盗む《唐狐》でした。

宴席では母違いの兄弟とされる《唐津屋》源兵衛と出会いますが、どこか危険な香りを漂わせる男。探りを入れるうちにその闇が明らかになり、

《唐狐》は欲に目がくらんだ《唐津屋》に罠を仕掛けます——。

(『盗っ人から盗む盗っ人 2 盗っ人問屋』のカバー裏面の紹介文より抜粋・編集)

今回取り上げた本


目次


第一章 義賊《すめらぎ小僧》
第二章 悪女の本懐
第三章 明けない夜
第四章 ただならぬ悪意
第五章 盗っ人問屋

2025年4月25日 初版発行
本文293ページ
文庫書き下ろし

藤水名子|時代小説ガイド
藤水名子 時代小説 読書リスト1964年、東京生まれ。日本大学文理学部中国文学科に学ぶ。1991年、『涼州賦』で第4回小説すばる新人賞を受賞。■時代小説SHOW 投稿記事■時代小説ブックガイド 読書リスト『赤壁の宴』(集英社・集英社文庫) ...

川流れ慕情 あやかし捕物帖3

川流れ慕情 あやかし捕物帖3(二見時代小説文庫)奈良谷隆
二見書房・二見時代小説文庫

カバーイラスト:安里英晴
カバーデザイン:ヤマシタツトム(ヤマシタデザインルーム)

妙は、御用の最中に命を落とした兄の跡を継ぎ、足腰の弱った父に代わって岡っ引きとなりました。鬼の気を宿す妙は、同心・麻生真之助や学問所に勤める若者・百瀬虎太郎とともに、人の仕業とは思えない「あやかし事件」に挑みます。シリーズ第3巻です。

あらすじ

水に棲むあやかしと闘う!

大川に誤って落ちた廻船問屋《川津屋》の娘・お春を救った妙。彼女を川に引き込んだのは、人のはらわたを喰らうという河童の仕業なのでしょうか?

川津屋に隣接する酒問屋《摂津屋》の主・宗右衛門は、川津屋の乗っ取りをたくらんでいるようですが、その正体には驚くべき秘密が隠されています。親玉と妖怪たちを相手に、妙たちは果敢に立ち向かいます。川津屋を守ることができるのでしょうか——。

(『川流れ慕情 あやかし捕物帖3』のカバー裏面の紹介文より抜粋・編集)

今回取り上げた本


目次

序 水底に光る眼
第一章 江戸に来た河童たち
第二章 片恋は流れのままに
第三章 風雲はらむ大川暮色
第四章 愛憎と悲喜こもごも
第五章 恋の行方は風まかせ
第六章 名残雪に舞う花吹雪

2025年4月25日 初版発行

本文277ページ
文庫書き下ろし

奈良谷隆|時代小説ガイド
奈良谷隆|ならやたかし|作家・漫画家1958年、横須賀市生まれ。作家・漫画家。日本文芸家クラブ副会長で、睦月影郎のペンネームで活躍する官能小説の巨匠でもある。時代小説SHOW 投稿記事→奈良谷隆の本(Amazonより)⇒時代小説作家リストへ...

米価の闇 剣客旗本と半玉同心捕物暦5

米価の闇 剣客旗本と半玉同心捕物暦5(二見時代小説文庫)早見俊
二見書房・二見時代小説文庫

カバーイラスト:安里英晴
カバーデザイン:ヤマシタツトム(ヤマシタデザインルーム)

香取民部は、蘭方医の道を諦め、亡き兄の跡を継いで南町奉行所の定町廻りとなりました。ただし、まだ見習いで、芸者で言えば玉代半分の「半玉同心」です。

そんな民部を支えるのは、剣客旗本・船岡虎之介。彼は大目付・岩坂備前守の命を受け、大名家の闇を暴こうとしていました。武芸には不安が残る民部ですが、虎之介の弟子として修行を重ね、同心としても成長していきます。師弟の活躍が楽しみなシリーズ第5巻です。

あらすじ

米価高騰の裏に潜む陰謀とは——

「米屋が米を売り惜しみ、米価が暴騰する」という噂が江戸の町に流れました。悪徳商人として名の上がった《駿河屋》も打ちこわしの対象になりますが、当主・文左衛門はなぜか余裕の表情。

ところが金蔵で胸に包丁が刺さった男の死体が発見され、背後には巨額の金が動く賭場の存在が見えてきます。老中の密命を受けた「清掃組」が乗り出しますが、果たして彼らは正義か、それとも悪か——。

(『米価の闇 剣客旗本と半玉同心捕物暦5』のカバー裏面の紹介文より抜粋・編集)

今回取り上げた本


目次

第一章 打ちこわし
第二章 般若の賭場
第三章 真っ黒な清掃
第四章 通人の本性
第五章 清掃の果て

2025年4月25日 初版発行
本文300ページ

文庫書き下ろし

早見俊|時代小説ガイド
早見俊|はやみしゅん|時代小説・作家1961年、岐阜県岐阜市生まれ。法政大学経営学部卒業。2007年より文筆業に専念し、歴史・時代小説を中心に著作は百五十冊を超える。2017年、「居眠り同心影御用」「佃島用心棒日誌」で、第6回歴史時代作家ク...