『芝居茶屋たけの家味ごよみ 大根役者といかのぼり』|佐々木禎子|角川文庫
2025年3月21日から3月31日に刊行予定の文庫新刊情報として、 「2025年3月下旬の新刊(文庫)」を公開いたしました。
今回、特に注目したいのは、佐々木禎子(ささき・ていこ)さんによる文庫書き下ろしの時代小説 『芝居茶屋たけの家味ごよみ 大根役者といかのぼり』(角川文庫)です。
著者について
佐々木禎子さんは、ファンタジー、あやかしもの、BLなど、幅広いジャンルのライトノベルで活躍されている作家です。代表作には、「暁花薬殿物語」シリーズ(富士見L文庫)や、「後宮の男装妃」シリーズ(双葉文庫)などがあります。
また、女性料理人・はるを主人公にした 「はるの味だより」シリーズ(ハルキ文庫・全4巻)では、庶民的な料理と、細やかな人情を味わえる料理時代小説を描いています。
あらすじ
結婚の遅れを心配されながらも、両親の小茶屋 「たけの家」 を手伝っていたおなつ。しかし、火事で父を亡くし、母は寝込んでしまいます。
浅草猿若町に店を移し、再起を図りますが、出遅れたうえに奢侈禁止令の影響もあり、なかなか客が入りません。
重責と不安に押しつぶされそうになりながらも、不器用ながら励ましてくれる弟をはじめ、周囲の支えに気づいたおなつは、やがて店を背負う覚悟を決めていきます。
美味しくて温かな新シリーズ、開幕です。(『芝居茶屋たけの家味ごよみ 大根役者といかのぼり』(角川文庫)Amazonの紹介文より抜粋・編集)
読みどころ
本作の舞台は、天保十四年一月の浅草猿若町。
主人公・おなつは、芝居茶屋 「たけの家(や)」 の若女将です。芝居茶屋とはいえ、芝居小屋に訪れる町人たちを相手に、五目稲荷や簡単な惣菜を提供する小茶屋でもあります。
おなつは二十二歳で未婚。店の若女将とはいえ、まだ慣れず、貫禄もありません。自分の弱さに落ち込むこともあります。
そんな彼女のもとに現れたのは、一つ年下の弟・清一と、幼なじみの数馬でした。六年前に「役者になる」と言って家を出た清一は、いまや下積みの役者 夕女之丞(ゆめのじょう)として奮闘中。数馬は、おなつより二つ年上で、御家人の三男坊です。
おなつが両親に代わって 「たけの家」 を切り盛りしながら成長していく姿が描かれています。
読むと元気が出て、お腹も空いてくる、美味しい江戸料理小説の始まりです。

今回ご紹介した本
