やなせたかしの素顔 のぶと歩んだ生涯|伊多波碧|潮文庫
伊多波碧(いたば・みどり)さんの文庫書き下ろし小説、『やなせたかしの素顔 のぶと歩んだ生涯』(潮文庫)が新たに本棚に加わりました。
著者について
伊多波碧さんは、2023年に「名残の飯」シリーズで第12回日本歴史時代作家協会賞シリーズ賞を受賞。時代小説をはじめ、警察小説などの現代小説でも活躍する実力派の小説家です。
また、2024年春の朝ドラ「虎に翼」のモデルとなった、女性初の裁判官・三淵嘉子さんの生涯を描いたノンフィクション小説『裁判官 三淵嘉子の生涯』も話題になりました。
物語のあらすじ
高知県で生まれた柳瀬嵩(やなせたかし)は、複雑な少年時代を過ごす。徴兵を終えて中国から帰国後、高知新聞社に入社し、小松暢(のぶ)と出会う。
その後、のぶが先に東京へ上京すると、嵩もまた引き寄せられるように上京し、「絵で勝負する」と決意。
やがて二人は結ばれ、紆余曲折を経て漫画家として独立するが、不遇の時代が続く。それでものぶは嵩の才能を信じ続け、二人三脚で人生を歩んでいく。(『やなせたかしの素顔 のぶと歩んだ生涯』カバー帯の紹介文より抜粋・編集)
ここがポイント
「きっと、いつか笑える日が来る!」
「諦めずにいれば、いつか花咲くときが来る!」
「アンパンマン」の作者として知られるやなせたかし(柳瀬嵩)さんと、その妻・のぶ(暢)さんの深い愛と絆を描いた感動のノンフィクション小説です。
運命的なのぶとの出会い、手塚治虫や宮城まり子、永六輔らとの交流。
「ぼくには才能がない」と嘆いていた少年が、50歳を過ぎてようやく日の目を見ることに……。
やなせたかしさんとのぶさんの生涯は、2025年春の朝ドラ『あんぱん』でも描かれます。
ひと足早く、やなせ夫妻の素顔に触れてみませんか? 読めば元気が湧いてくる一冊です。
今回取り上げた本
書籍情報
やなせたかしの素顔 のぶと歩んだ生涯
伊多波碧
潮出版社・潮文庫
2025年3月20日初版発行
装画:田尻真弓
カバーデザイン:重原隆
目次:
第一章 朴ノ木のぼく
第二章 母との別れ
第三章 青春の終わり
第四章 夢と現実
第五章 なんのために生きる
本文259ページ
文庫書き下ろし
