『上方みやげ 小料理屋のどか屋人情帖43』 『狗の功名 大江戸秘密指令7』 『北町の爺様6 敵は江戸家老』
2025年2月下旬に刊行された二見時代小説文庫の新刊3冊をご紹介します。
倉阪鬼一郎さんの『上方みやげ』は、2010年の第1巻『人生の一碗』からスタートして、43巻を数える長寿シリーズです。
伊丹完さんの『狗の功名』はシリーズ第7弾、牧英彦さんの『敵は江戸家老』はシリーズ第6弾と巻を重ね、いずれも読者の支持が厚い好評時代小説です。
上方みやげ 小料理屋のどか屋人情帖43
カバーイラスト:宇野信哉
カバーデザイン:ヤマシタツトム(ヤマシタデザインルーム)
本シリーズは、江戸料理時代小説の第一人者として活躍する倉阪鬼一郎さんの出世作です。
15年以上続く人気の理由は、毎巻登場するおいしそうな江戸料理に加え、読者を惹きつける波瀾万丈の物語にあります。
今回は主人公に大きな転機が訪れ、ますます目が離せません!
あらすじ
二代目千吉、上方へ!
のどか屋と縁の深い大和梨川藩主・筒堂出羽守良友が参勤交代で国元へ帰ることになり、千吉もこれに同行。
江戸から箱根を越え、上方へと向かう道中で、忘れられない味の数々に出会います。
東海道の美食旅を楽しみながら、『料理早指南』のために帳面に記録をつけ、学びを深める千吉。
旅先では、思いがけない懐かしい人との再会も……。(『上方みやげ 小料理屋のどか屋人情帖43』のカバー裏面の紹介文より抜粋・編集)
今回取り上げた本
目次
第一章 揚げ茄子二種
第二章 出立
第三章 東海道うまいものづくし
第四章 田楽と丁稚羊羹
第五章 大坂舌だめし
第六章 京の下だめし
第七章 もう一つののどか屋
第八章 三人道中
第九章 帰還
第十章 とろろ飯とかき揚げ
終章 年越しと正月
2025年3月25日 初版発行
本文259ページ
文庫書き下ろし
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狗の功名 大江戸秘密指令7
カバーイラスト:安里英晴
カバーデザイン:ヤマシタツトム(ヤマシタデザインルーム)
小栗藩主・松平若狭介の命を受け、武士を捨て日本橋の裏長屋の大家となった勘兵衛。
彼の長屋には、藩のはみ出し者たちが町人に成りすまして移り住みました。
隠密長屋の勘兵衛と九人の店子たちが、江戸に蔓延る悪を懲らしめる痛快時代小説!
第七巻にて、ついに完結します!
あらすじ
11人目の隠密になれるのか?
銀八(かつての猿吉)は、生まれも名も分からぬまま育ち、盗人の道へ。しかし親方を殺され、火盗改の狗(スパイ)となります。
幇間(ほうかん)・銀八として隠密長屋を「盗人長屋」と思い探りを入れますが、見破られ、今度は勘兵衛たちの狗に。そんな銀八は、お座敷で町医者と薬種商の悪巧みを知ります。
なんと、彼らは隠密・お梅の父である御殿医の元弟子だった!
彼らの陰謀を阻止すべく、隠密たちは立ち上がる――。(『狗の功名 大江戸秘密指令7』のカバー裏面の紹介文より抜粋・編集)
今回取り上げた本
目次
第一章 しがらみ
第二章 義賊の心得
第三章 幇間銀八
第四章 藪の中の破医者
2025年3月25日 初版発行
本文294ページ
文庫書き下ろし
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北町の爺様6敵は江戸家老
カバーイラスト:蓬田やすひろ
カバーデザイン:ヤマシタツトム(ヤマシタデザインルーム)
隠密廻同心(おんみつめぐりどうしん)は、町奉行から直接指示を受ける特別な役目。
廻方で定廻(じょうまわり)と臨時廻(りんじまわり)を勤め上げ、経験を積んだ者だけが任命されます。
北町奉行所の八森十蔵(やもりじゅうぞう)と和田壮平(わだそうへい)は、共に白髪頭の老練な隠密。
早手錠・寸鉄・七変化を駆使し、事件の謎を解く痛快シリーズです。
あらすじ
古参の隠密廻同心二人、大名家江戸家老と戦う!
北町奉行・永田備後守正道のもとで精勤する二人の爺様の前に、思わぬ敵が現れます。
その名は土方縫殿助(ひじかたぬいのすけ)。
彼の主君である水野出羽守忠成は、西の丸側用人という恵まれた地位に満足せず、
老中首座・松平伊豆守信明を失脚させてその座を狙っていた。正道の密命を受け、十蔵と壮平は水野家と対峙。
しかし縫殿助は老練な知略と剣技をもって彼らを翻弄する。
負けじと火花を散らす北町の爺様たち。勝敗の行方は――?(『北町の爺様6敵は江戸家老』のカバー裏面の紹介文より抜粋・編集)
今回取り上げた本
目次
出羽守の野望
爺様の止め手
江戸家老の眼
播磨守の思惑
御中臈の矜持
芝居町を護れ
七変化で勝負
舞台裏の問答
げに侮り難し
捕り手は俺だ
爺様の旅立ち
武蔵野に追う
2025年3月25日 初版発行
本文289ページ
文庫書き下ろし
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