2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

【新着本】光文社文庫2025年2月発売の新刊。読書の楽しみを味わう

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2025年2月刊行の光文社文庫が本棚に加わりました!

今月は、あさのあつこさんの「弥勒シリーズ」第12弾、『野火、奔る』岩井三四二さんの戦国歴史小説、『田中家の三十二万石』岡本綺堂さんの妖異探偵小説集、『旅情夢譚』の3冊です。

『野火、奔る』

野火、奔る (光文社文庫)あさのあつこ
光文社・光文社文庫

カバーデザイン:泉沢光雄
カバー写真:アフロ、Getty Images

あらすじ
評判の小間物問屋「遠野屋」の看板商品の原料・紅餅を積んだ船が消息を絶ち、奉公人にも不審な手が忍び寄る。遠野屋主・清之介は最大の窮地に立たされ、最も頼りたくない相手――北町奉行所定町廻り同心・木暮信次郎に頭を下げる。遠野屋の危機と、信次郎たちが追う殺しの線が繋がったとき、衝撃の真相が明らかに――。121万部突破の人気シリーズ、待望の第十二弾!

(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

ここがポイント
商いの上で大きな危機に直面した遠野屋。そして奉公人のおちやの身にも危険が迫る。ついに清之介は、最も頼りたくない男・信次郎に、遠野屋の内情を包み隠さず打ち明けることに。
シリーズ最大の見どころである、ひりひりするような二人の対峙に魂をギュッと掴まれます。

↓単行本刊行時のレビュー

荷を乗せた船が消え、おちやは連れ戻され…。遠野屋に危難が
『野火、奔る』|あさのあつこ|光文社あさのあつこさんの『乱鴉の空』の文庫解説の執筆を機に、「弥勒」シリーズを第1巻から読み直し、その面白さにすっかりはまりました。最新刊の『野火、奔る(のび、はしる)』(光文社)が刊行されたので、紹介します。...

目次
第一章 狐火
第二章 埋火
第三章 炎心
第四章 火照り
第五章 裸火
第六章 火片
第七章 業火
第八章 夜に揺れる

解説 折笠由美子

2025年2月20日 初版1刷発行
本文415ページ

本作は2023年10月、光文社より刊行された単行本を文庫化したもの。

あさのあつこ|時代小説ガイド
あさのあつこ|時代小説・作家1954年、岡山県生まれ。青山学院大学を卒業後、小学校講師を経て作家デビュー。1997年、『バッテリー』で野間児童文芸賞を受賞。1999年、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞を受賞。2005年、『バッテリー』...

『田中家の三十二万石』

田中家の三十二万石 (光文社文庫)岩井三四二(いわい・みよじ)
光文社・光文社文庫

カバーデザイン:西村弘美
カバーイラスト:スカイエマ

あらすじ
近江国三川村の百姓・久兵衛は、重い年貢に縛られる暮らしに嫌気がさし、志願して16歳で地元の武将・宮部善祥坊の小者となる。初めての禄はわずか三石。学もなく、歌の一首も詠めないが、出世を目指してがむしゃらに戦い、時には歯を食いしばって理不尽にも耐え、大名へと上り詰めていく。貧農から身を起こし、筑後三十二万石の太守となった田中吉政の生涯を描く。

(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

ここがポイント
百姓から侍へ、そして遂には三十二万石の初代筑後国主へ――。田中吉政(久兵衛)の痛快かつほろ苦い生涯を描く長編歴史小説。
吉政は、関ヶ原の戦いで敗れた石田三成を捕縛したことで知られています。
家族の安定した暮らしを求めた久兵衛の理想と現実とは? 単なる立志伝ではない、戦国武将のリアルな生き方を追体験できます。

目次
寛永六(一六二九)年の秋、江戸の昼下がり
第一章 はじめの三石
第二章 おどろきの七十五石
第三章 千五百石の焦り
第四章 三万石の別れ
第五章 危いかな五万石
第六章 十万石の賭け
第七章 三十二万石を抱きしめて
寛永六(一六二九)年の秋、江戸の夕暮れ

解説 矢野隆

2025年2月20日 初版1刷発行
本文503ページ

本書は2021年2月、光文社より刊行された単行本を文庫化したもの

初出:「小説宝石」2019年11月号から2020年12月号に連載したものを刊行にあたり、加筆修正を加えてます。

岩井三四二|時代小説ガイド
岩井三四二|いわいみよじ|時代小説・作家1958年、岐阜県生まれ。1996年、『一所懸命』で第64回小説現代新人賞を受賞し、デビュー。1998年、「簒奪者」(『天を食む者 斎藤道三』と改題)で、第5回歴史群像大賞を受賞。2003年、『月ノ浦...

『旅情夢譚』

旅情夢譚 (光文社文庫)岡本綺堂
光文社・光文社文庫

カバーデザイン:高林昭太
写真提供:PIXTA

あらすじ
木曽山中の旅籠で起きた毒殺、房総の海に浮かぶボート上での不可解な刺殺、シンガポールの椰子林で発見された芸妓と猿の変死体の謎……。旅先で巻き起こる妖しく凄惨な13の殺人事件。
「半七捕物帳」をはじめ多くの怪談や人情物を手がけた岡本綺堂が贈る、異色の探偵小説短編集。

(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

ここがポイント
著者ははしがきで、「この短編集はテリブルとかグロテスクとか云うたぐいの物語をあつめたもの」と記しています。
100年前に書かれた「妖異探偵小説集」ながら、今読んでも色あせることなく楽しめるのは、岡本綺堂のすっきりした文章と、見事なストーリーテリングによるものです。

目次
はしがき
山椒の魚
剣魚
医師の家
ぬけ毛
椰子の実
狸の皮
娘義太夫
狸尼
蛔蟲
河鹿
父の怪談
山の秘密
五色蟹

2025年2月20日 初版1刷発行
本文341ページ

底本:
「はしがき」「山椒の魚」「剣魚」「医師の家」「ぬけ毛」「椰子の実」「狸の皮」「娘義太夫」「狸尼」「蛔蟲」は、『慈悲心鳥』(国文堂書店・大正9年9月刊)より
「河鹿」「父の怪談」は、『綺堂読物集 第三巻(近代異妖篇)』(春陽堂・大正15年10月刊)より
「山の秘密」は、『綺堂読物集 第四巻(探偵夜話)』(春陽堂・昭和2年5月刊)より
「五色蟹」は、『岡本綺堂読物選集5 異妖編 下巻』(青蛙房・昭和44年6月刊)より

岡本綺堂|時代小説ガイド
岡本綺堂|おかもときどう|時代小説・作家1872年11月15日 - 1939年3月1日。東京府東京市芝区に生まれる。東京府尋常中学(のちの東京府立一中、現・東京都立日比谷高等学校)卒業。1916年に「半七捕物帳」の執筆を開始。時代小説SHO...