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【新着本】小杉健治の恋愛捕物シリーズ、帯に推薦コメント入り!

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心残り 春待ち同心(四)|小杉健治|コスミック・時代文庫

春待ち同心【四】心残り (コスミック時代文庫)小杉健治さんの時代小説、『心残り 春待ち同心(四)』が新たに本棚に加わりました。

本作は、『縁談』から始まり、『破談』『不始末』と続く「春待ち同心」シリーズの第4弾。2012年にハルキ文庫(角川春樹事務所)から刊行された「独り身同心」シリーズを、改題・加筆修正して新装版として刊行したものです。重版が続き、多くの読者に支持されている人気シリーズです。

春待ち同心【一】縁談(コスミック時代文庫)「一見無関係と思える事件と女たちがリンクする展開の妙、捕物小説の大傑作」

このたび、シリーズ共通の帯が作られ、「時代小説SHOW」の理流による推薦コメントが掲載されました。書店で見かけた際は、ぜひ手に取ってみてください!

春待ち同心シリーズとは
主人公の井原伊十郎は、腕利きの定町廻り同心で、三十三歳の独り身。女性の好みは、妾や後家といった人生経験豊かな年増の女性。
そんな彼が、上役から持ち込まれた縁談で、五百石の旗本の出戻り娘・百合と出会う。ひと目見た瞬間から、彼女のこの世のものとは思えぬ美貌に心を奪われる。しかし、百合のつれない態度にもめげずに、伊十郎は想いを募らせていく。
一方で、妖艶な音曲の師匠・おふじから言い寄られ、心が揺れる伊十郎。その頃、江戸では、大店から金を盗み出す女盗賊『ほたる火』が暗躍していた。
ある夜、逃げる『ほたる火』を目撃した伊十郎。その後ろ姿は、おふじのようでもあり、百合のようでもあり……果たして、その正体は――?

あらすじ

北町奉行所定町廻り同心・井原伊十郎には気がかりなことがあった。浮世絵師・鳥海英才が、縁談相手の百合を見て、「以前遭遇した怪盗『ほたる火』と瓜二つ」と震えていたのだ。
気高い武家の娘が盗賊などとは思えない。しかし、伊十郎は百合の素顔をまだ多く知らず、不安を抱えていた。そんな中、とある事件を追ううちに、彼はひとりの武士と出会う。
その男は、百合の最初の夫・村上彦一郎。好きな女の過去には関わりたくない。しかし、伊十郎はどうしても知りたかった。なぜ百合は離縁されたのか、そして彼女は本当はどんな女性なのか――。

迷いと疑念を抱えながらも、盗みやゆすり、殺しが相次ぎ、ついに『ほたる火』を追う日々が始まる。伊十郎の心が晴れる日は、果たして訪れるのか!?

(『心残り 春待ち同心(四)』カバー裏の内容紹介より)

読みどころ

井原伊十郎は、浮世絵師・鳥海英才の「『ほたる火』は百合だ」という言葉に囚われ、疑念を拭いきれずにいました。武家の娘が盗賊などとは考えにくいが、彼女の身のこなしや後ろ姿が『ほたる火』と重なり、冷静ではいられません。

そんな中、伊十郎の屋敷で百合が手下たちとともに夕餉を囲むことに。同じ夜、『ほたる火』が現れたと知り、彼女への疑いは消えたように思われました。

しかし、別の事件も動き始めます。門前仲町の料理屋の女中・おさきと、同じ長屋に住む役者崩れの色男・与之助が突然姿を消したのです。

さらに数日後、「閻魔の円蔵」と呼ばれる古物商を訪れた伊十郎は、見知らぬ三十前後の武士から声をかけられます。その男こそ、百合の元夫・村上彦一郎でした。なぜ彼は伊十郎に接触したのでしょうか――?

「春待ち同心」シリーズ人物相関図捕物とともに、二人の美女の間で揺れる伊十郎の心理が描かれる「恋愛捕物シリーズ」。
巻を追うごとに人気を集め、重版が続いています。

女性読者にもファンの多いイラストレーター・丹地陽子さんの表紙と巻頭の人物相関図が、物語の魅力を一層引き立てています。

書籍情報

心残り 春待ち同心(四)
小杉健治
コスミック出版 コスミック・時代文庫
発売 星雲社
2025年2月25日初版発行

カバーイラスト:丹地陽子

目次
第一章 ゆすり
第二章 殺し屋
第三章 女の行方
第四章 迎え撃ち

本文291ページ

この作品は、『心残り 独り身同心(四)』(ハルキ文庫、2013年6月刊)を改題し、大幅に加筆修正を加えたものです。

■今回取り上げた本




小杉健治|時代小説ガイド
小杉健治|こすぎけんじ|時代小説家・ミステリー作家1947年、東京生まれ。1983年、「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。1988年、『絆』で第41回日本推理作家協会賞を受賞。1990年、『土俵を走る殺意』で...