2025年2月1日(土)の東京新聞(中日新聞は2月2日)朝刊の読書面、「推し時代小説」のコーナーで本の紹介をさせていただきました。 「推し時代小説」は、今おすすめの歴史時代小説を取り上げる連載企画です。
今回ご紹介したのは、木内昇さんの歴史時代小説 『雪夢往来(せつむおうらい)』(新潮社)です。
作品について
『雪夢往来』 は、江戸時代後期の越後を舞台に、『北越雪譜(ほくえつせっぷ)』 を著した 鈴木牧之(ぼくし) の生涯を描いた物語です。
『北越雪譜』は、越後の風俗や奇談を綴った随筆集として知られています。その著者・鈴木牧之は、越後国塩沢で縮問屋と質屋を営みながら執筆活動を続けました。
江戸の出版界に翻弄されながらも、「書かなければ夢は終わらない」 という信念のもと、作品を完成させた牧之。
本書では、そんな彼の塩沢での暮らしぶりや、「雪話」に魅せられた山東京伝や曲亭馬琴との交流が余すところなく描かれています。
歴史好きはもちろん、江戸の文化や出版事情に興味のある方にもおすすめの一冊です。
今回取り上げた本
木内昇|時代小説ガイド
木内昇|きうちのぼり|時代小説・作家1967年、東京生まれ。出版社勤務を経て、編集者、ライターとして活動。2004年、『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。2009年、『茗荷谷の猫』で第2回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2011年、『...
東京新聞掲載「推し時代小説」バックナンバー
東京新聞(中日新聞)読書欄「推し時代小説」コーナーの紹介東京新聞・土曜日(中日新聞は日曜日)の読書欄「推し時代小説」のコーナーを、細谷正充さん、内藤麻理子さんらと順番に担当しています。