1月刊行の双葉文庫が本棚に加わりました!
今月は、北方謙三さんの伝説の剣豪小説「日向景一郎シリーズ」の第1巻『風樹の剣』が再刊されます。
風野真知雄さんの『新・若さま同心 徳川竜之助(七) 大鯨の怪』は、傑作時代小説シリーズの新装版第7弾です。
藤井邦夫さんの「御刀番黒木兵庫」の新シリーズが文庫書き下ろしで始まりました。
第1巻が重版出来でスタートした山本巧次さんの『奥様姫様捕物綴り(二) 本読む者は人目を忍べ』は注目の第2弾。
馳月基矢さんの『義妹にちょっかいは無用にて(六)』は、急転直下の展開に!
『本読む者は人目を忍べ 奥様姫様捕物綴り(二)』
山本巧次(やまもと・こうじ)
双葉社・双葉文庫
カバーデザイン:bookwall
カバーイラストレーション:田尻真弓
あらすじ
佳奈姫が贔屓にしている小間物屋の津田屋は、実は姫のためだけにこっそり戯作本を届けている。その日も津田屋から新作を受け取った佳奈姫だが、お気に入りの戯作者がお上から目を付けられ、版元ともどもお調べが入ったことを聞かされる。居ても立ってもいられなくなった佳奈は、近習の隆之介に頼み込み、戯作者の住む長屋を訪れるが、そこは既にもぬけの殻だった。
大名家の無敵の母娘が難事に立ち向かう、大好評痛快時代小説シリーズ第2弾!
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)
ここがポイント
第1作『甘いものには棘がある』では、美濃御丈(みたけ)四万石、牧瀬家の正室(奥方様)・彩智(さち)と、その娘(姫様)・佳奈が、得意の推理と剣で、上屋敷に出入りの菓子舗で起こった騒動を鮮やかに解決しました。
今回は、佳奈姫が贔屓にしている戯作者が消えたことから、またしても母と娘が江戸の町を駆け回ります。
ユーモアたっぷりで華やかな捕物話。スカッと爽快な読み味を楽しみませんか。
目次
なし
2025年1月15日 初版1刷発行
本文302ページ
文庫書き下ろし
『義妹にちょっかいは無用にて(六)』
馳月基矢(はせつき・もとや)
双葉社・双葉文庫
カバーデザイン:bookwall
カバーイラスト:Minoru
あらすじ
目黒富士を巡る隣人との諍いで、近藤重蔵の息子である富蔵が人を殺めてしまったことに友として胸を痛める将太だが、自身も大きな岐路に立っていた。北方探索で体を傷めた松島小市郎からの意外な申し出。それを受けて間宮林蔵のもとで隠密の任に就くなら、理世と一緒になれるかもしれない。だがその場合は、事情を打ち明けることなく、皆と直ちに別れることになる――。
今宵七夕の織姫と彦星をともに見ながら、ぐっと言葉を呑む将太。待っていてくれ、理世。今はただ星に願いを――。大好評シリーズ待望の最新刊!
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)
ここがポイント
時代は文政九年(1826)。
お互いの想いに気づいた血の繋がらない兄・将太と妹・理世。七夕の夜、二人は星に何を願ったのでしょうか。
本書では、蝦夷地探検で知られ“文政の三蔵”と呼ばれた幕臣・近藤重蔵の息子・富蔵が重要な役回りで登場します。目黒富士は、歌川広重の『名所江戸百景』にも描かれた名所です。
目次
第一話 悪役
第二話 決着
第三話 惨劇
第四話 船出
2025年1月15日 第1刷発行
本文227ページ
『新・御刀番黒木兵庫 無双流仕置剣』
藤井邦夫(ふじい・くにお)
双葉社・双葉文庫
カバーデザイン:泉沢光雄
カバーイラスト:朝江丸
あらすじ
江戸表の水戸藩邸で何やら不穏な動きがあるとの報せを受けた御刀番頭・黒木兵庫は、国許を発ち一路江戸へ向かう。水戸藩主斉脩の庶子・京之介とその母・お眉の方が暮らす向島の下屋敷に、時の老中水野忠成の懐刀・土方縫殿助が訪ねてきたという。土方は将軍家斉の娘・峰姫を斉脩の正室に輿入れさせた黒幕であり、峰姫は七年前に隠密組織「裏柳生」を使嗾して、当時虎松と名乗っていた京之介を亡き者にせんと企てた過去があった。
土方の狙いは一体何なのか。峰姫はこの一件に関与しているのか――。待望の書き下ろし新シリーズ第1弾!
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)
ここがポイント
水戸徳川家八代当主・斉脩(なりのぶ)の正室峰姫は、斉脩の庶子・虎松を亡き者にせんと、隠密組織「裏柳生」を送り込むなど波乱の展開が続きます。御刀番黒木兵庫は、虎松を水戸から江戸へ届けることができるのか――。という前作『無双流逃亡 御刀番黒木兵庫』の続編で、舞台を七年後に移し、黒木兵庫が〈無双流〉の剣を駆使して活躍する姿が存分に描かれています。
目次
第一話 老猿始末
第二話 丑の時参り
第三話 伊賀の朧
2025年1月15日 第1刷発行
本文303ページ
文庫書き下ろし
『新・若さま同心 徳川竜之助(七) 大鯨の怪〈新装版〉』
風野真知雄(かぜの・まちお)
双葉社・双葉文庫
カバーデザイン:泉沢光雄
カバーイラスト:スカイエマ
あらすじ
土佐藩の姫君の輿入れ道具としてつくられた小さな猫の細工が盗まれてしまった。秘密裏に行方を探すことになった徳川竜之助は、細工職人のもとを訪ねてきた嫁ぎ先の用人が怪しいと睨む。一方、日本橋の魚河岸では、漂着した巨大なクジラが突如いなくなるという不可思議な出来事も発生し、大きな騒ぎを巻き起こしていた――。傑作時代小説シリーズ新装版第7弾!
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)
ここがポイント
御三卿の一つ、田安家の十一男坊・徳川竜之助は、南町奉行所の同心見習いとして不可思議な事件を次々に解決する「変な事件」専門。今回は、小さな猫の細工と巨大なクジラという、一見まったく異なる事件が絡み合う展開が魅力です。肩の凝らない痛快時代小説として楽しめます。
目次
序章 偉大なる巨体
第一章 小さな盗み
第二章 バラしたか、丸ごとか
第三章 姫さま海へ
第四章 幽霊船
第五章 海の竜
2025年1月15日 第1刷発行
本文293ページ
本書は2014年7月、双葉文庫より刊行された作品の新装版です。
『風樹の剣 日向景一郎シリーズ(一)〈新装版〉』
北方謙三(きたかた・けんぞう)
双葉社・双葉文庫
カバーデザイン:高柳雅人
カバーイラスト:ゴトウヒロシ
あらすじ
孤高の剣士だった祖父から日向流を叩き込まれた日向景一郎(ひなた・けいちろう)。臆病者とそしられ、人を斬ることをためらう18歳の青年は、祖父の遺言である「お前の父を捜し、斬れ」という言葉を胸に、幼少期に姿を消した父を捜す旅に出る。己は何のために生まれてきたのか――。旅先で強敵と対峙し、恋をし、女を知り、過酷な経験を通じて剣士としての凄味を増していく景一郎の成長と、血塗れた生きざまを描く圧巻の剣豪小説。5カ月連続刊行の第1弾!
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)
ここがポイント
新潮文庫で刊行され、時代小説ファンを驚愕させた傑作剣豪小説が、〈新装版〉として再登場!しかも、5カ月連続刊行という壮大な企画で、シリーズの魅力が蘇ります。北方謙三さんのハードボイルドな文体が、これまでの時代小説の枠を超えた革新性をもたらし、圧倒的な迫力で描かれる日向景一郎の成長と旅路に心を奪われること間違いありません。
目次
第一章 斬撃
第二章 獣肉
第三章 わに
第四章 蓬莱島
第五章 皿の日
第六章 乳房
第七章 鬼の子守唄
第八章 手首
第九章 父と子
解説 池上冬樹
2025年1月15日 第1刷発行
本文486ページ
『風樹の剣 日向景一郎シリーズ 1』(新潮文庫・1996年刊)を新装版刊行にあたり加筆修正したもの。