【新着本】森明日香『夜の金糸雀 おくり絵師』シリーズ第3巻

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夜の金糸雀 おくり絵師|森明日香|ハルキ文庫

夜の金糸雀 おくり絵師 (ハルキ文庫)森明日香さんの『夜の金糸雀(かなりあ) おくり絵師』(ハルキ文庫)が本棚に加わりました。

2024年に『おくり絵師』第13回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろし新人賞を受賞した森明日香さん。本書は『牡丹ちる』に続く、シリーズ第3巻となります。

このシリーズでは、絵師見習いの少女・おふゆが成長していく姿が描かれています。幼馴染みの死をきっかけに自分を見失い、苦しんだ末、亡き人を描く追悼の絵「おくり絵(死絵)」と出会い、本当に描きたい絵を見つけます。戸惑いやスランプを乗り越え、ある出来事を契機に覚醒するなど、絵師としての葛藤と成長が丁寧に描かれており、読者の心を引きつける作品です。

物語のあらすじ

師匠・歌川国藤のもとで住み込み修業を続ける絵師見習いのおふゆ。亡き人と遺された人への想いを込めて描く「死絵(しにえ)」に惹かれつつ、日々絵の鍛錬に励んでいました。そんなある日、地本問屋・佐野屋を訪れたおふゆは、店主の喜兵衛からお栄という絵師が描いた一枚の絵を見せられます。それはまるで本物のように精緻で迫力ある絵でした。
その絵に圧倒されたおふゆは、お栄に学びたいと願いますが――。わだかまった父子の縁、愛する人との無情の別れ、そして自身が進むべき絵師としての道。人生の哀歓を丁寧に描いた物語です。第13回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろし新人賞を受賞し、続々重版される大好評シリーズの第3巻です。
(※カバー裏紹介文より抜粋・編集)

今回の物語では、師匠・歌川国藤がありながら、お栄の描く絵に圧倒されたおふゆが、弟子入りを志願するというエピソードが展開されます。その顛末や、気になるお栄の正体とは一体何なのでしょうか。

おふゆの成長を見守りながら、自分自身の仕事や生活に重ね合わせて読むことで、癒され元気づけられる一冊です。疲れた心に小さな灯をともしてくれるような、優しく温かな時代小説です。

今回取り上げた本



書籍情報

夜の金糸雀 おくり絵師
森明日香
角川春樹事務所・ハルキ文庫
2024年12月18日初版発行

装画:かない
装幀:アルビレオ

目次
第一話 初しぐれ
第二話 夜の金糸雀
第三話 大地燃ゆ

文庫書き下ろし
本文251ページ

森明日香|時代小説ガイド
森明日香|もりあすか|小説家1967年生まれ。福島県福島市出身。弘前大学卒業。2017年、「お稽古日和」で第16回湯河原文学賞最優秀賞を受賞。2022年、『写楽女』で第14回角川春樹小説賞を受賞しデビュー。2024年、『おくり絵師』で第13...