『女院の密命 緋桜左膳よろず屋草紙(一)』 『にぎやかな星空 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(十三)』 『秩父忍び 日暮左近事件帖』
11月の光文社文庫の新刊3冊が本棚に加わりました。篠綾子さんの新シリーズが始まります。また、藤井邦夫さんの「日暮左近事件帖」は第20巻『秩父忍び』をもって完結を迎えます。
女院の密命 緋桜左膳よろず屋草紙(一)
篠綾子
光文社・光文社文庫
カバーデザイン:bookwall
カバーイラスト:安楽岡美穂
「窺見(うかみ)」という言葉をご存じですか。
辞書によると、相手方を見張り、敵の様子を探る役割やその人物を指します。
本作の舞台は宝暦十一年(1761年)。主人公の三人(左膳、右京、おちか)は、京から派遣された「窺見」で、天皇や女院から密命を受けて江戸へやって来ました。彼らに託された任務とは?
あらすじ
「窺見(うかみ)」――それは、朝廷に仕える密偵のこと。江戸で荒物屋「よろず屋」を開き、密命を受けた三人の主人公が挑む、奇異な事件と陰謀の数々。女院に仕える剣の達人・高槻左膳、天皇護衛で陰陽師家出身の柏木右京、そして内親王に仕えた女官おちか。異色の新シリーズが始まります。
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)
にぎやかな星空 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(十三)
中島久枝
光文社・光文社文庫
カバーイラスト:川上和生
カバーデザイン:荻窪裕司
目次には、「夜咄(よばなし)」「鉢かつぎ姫」や「阿古屋(あこや)」といった興味をそそる言葉が入った章題が並んでいます。「夜咄」は冬の夜長を楽しむ茶事のこと、「鉢かつぎ姫」は御伽草子の一話で、頭に鉢を被った姫の物語。また「阿古屋」といえば真珠を抱く阿古屋貝をかたどったひな菓子があり、歌舞伎の『壇浦兜軍記』に登場する景清の恋人・阿古屋の名としても知られています。お菓子好きの方もそうでない方も、ページをめくる楽しみがたっぷり詰まっています。
あらすじ
夜咄の茶会用の菓子を求めて、茶道と茶花を教える直枝が見世を訪れる。夜咄の菓子について思案する小萩を見て、幹太も手伝いを申し出る。やがて、直枝の生徒たちが内緒で先生と幼なじみの仲を取り持つ菓子を作ってほしいと依頼してきた。小萩は生徒たちの想いを受け止め、心を込めて菓子を作るが……。人情あふれる人気シリーズの第十三巻です。
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)
秩父忍び 日暮左近事件帖
藤井邦夫
光文社・光文社文庫
カバーデザイン:Fieldwork(田中和枝)
カバーイラスト:西のぼる
主人公・日暮左近は元秩父忍び。瀕死の重傷を負っていたところを、公事宿巴屋の主・彦兵衛に助けられ、現在は巴屋の出入物吟味人として働いています。ある日、大目付が忍びの者に闇討ちされたと聞き、左近も襲撃を受けるが、その忍びは「秩父忍び」だと告げて絶命。左近は、かつての仲間たちに何が起きているのかを探り、「最後の敵」に挑む決意します。
あらすじ
大目付の水野義信が闇討ちに遭う。知らせを受けた巴屋の出入物吟味人・日暮左近もまた忍びに襲われるが、忍びは「秩父忍び」と告げて息絶える。出身を同じくする忍びに対する左近の葛藤と戦い、そしてその背後に潜む謎――。剣戟と人情が絡み合う、シリーズ感動の最終巻。
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)