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【新着本】美しい灯台を人気作家が旅した紀行集『灯台を読む』

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灯台を読む|門井慶喜・澤田瞳子・阿部智里・川越宗一・永井紗耶子・安部龍太郎|文藝春秋

灯台を読む (単行本)2024年11月3日(日)東京都港区の「スパイラル」にて「海と灯台サミット2024」が開催されました(主催:日本財団「海と灯台プロジェクト」)。このイベントでは、直木賞作家門井慶喜さん川越宗一さん澤田瞳子さん永井紗耶子さんが、各地の灯台にまつわる興味深い歴史や取材エピソードを披露し、観客を魅了しました。

本書『灯台を読む』は、来場者プレゼントとしていただき、イベントの余韻と共に読んでいます。

全国各地の仕掛人・先駆者20人が地域と灯台と日本の明日を語り合う「海と灯台サミット2024」を開催しました
海と日本プロジェクト広報事務局のプレスリリース(2024年11月5日 11時30分)全国各地の仕掛人・先駆者20人が地域と灯台と日本の明日を語り合う「海と灯台サミット2024」を開催しました

本書の紹介

その灯りは、日本の〈歴史〉と〈文化〉を照らし出す!
海と共に日本人の心に残る原風景のひとつ灯台。船の安全を守るための航路標識としての役割のみならず、明治以降の日本の近代化を見守り続けてきた――。
(※カバー・帯の紹介文より編集・抜粋)

今回のトークショーに惹かれたのは、ここ十年で直木賞を受賞した歴史小説作家がそろい、史跡ではなく「灯台」をテーマに取材されたという点。歴史を題材とする作家ならではの視点が、各地の灯台に宿る文化や人々の物語を新鮮に浮かび上がらせています。

灯台は、明治時代の海の航路標識として生まれ、海上の安全を守ってきました。
それ以前、江戸時代には油火を使った「灯明台」が設置されていましたが、光が遠くまで届かず、近代化の波とともに西洋式の灯台が求められるようになりました。
最初の灯台である観音埼灯台(神奈川県)が建てられたのは明治二年(1869年)。現在、全国には3,118基の灯台が点在しています。

れぞれの灯台には歴史と文化があり、それらは海に囲まれた日本の近代化の歴史そのものでもあります。
過去の事象やその地に暮らす人々への鋭い考察は、歴史を題材に物語を紡ぐ作家ならではのもの。この灯台紀行集を含むプロジェクトに、歴史作家たちを起用した出版プロデューサーの慧眼に脱帽しました。

本書は歴史読み物としても心惹かれるものですが、紀行文としてもそれぞれの作家の個性が垣間見れて、楽しく読むことができます。

今回取り上げた本

灯台を読む

門井慶喜・澤田瞳子・阿部智里・川越宗一・永井紗耶子・安部龍太郎
文藝春秋
2024年10月10日第一刷発行

装丁・デザイン:野中深雪
写真:橋本篤