『盗っ人長屋 大江戸秘密指令 6』 『お助け屋台 小料理のどか屋 人情帖 42』 『南町 番外同心 6 若様と師父』
10月下旬に刊行された二見時代小説文庫の新刊3冊が届きました。
盗っ人長屋 大江戸秘密指令 6
伊丹完
二見書房・二見時代小説文庫
カバーイラスト:安里英晴
カバーデザイン:ヤマシタツトム(ヤマシタデザインルーム)
本作では、特殊な才能を持つ元武士たちが江戸の長屋に暮らし、隠密として悪を懲らしめる筋立てが魅力です。それぞれの特技を活かした活躍が描かれており、個性豊かなキャラクターたちが読者を楽しませます。
あらすじ
貧相な幇間が、貸家札も出ていないのに空き店を貸してほしいという。知られてはならない隠密長屋に公儀が探りを? 一方、長屋の徳次郎が、小姓の時に情を交わした奥女中と再会。今は商家の内儀だが、亭主が博奕にのめり込み、商家は火の車。亭主が通う元火盗改の旗本屋敷には、くだんの幇間も出入りしていて、何やらきな臭い。旗本の悪だくみを阻止できるのか――。
お助け屋台 小料理のどか屋 人情帖 42
倉阪鬼一郎
二見書房・二見時代小説文庫
カバーイラスト:宇野信哉
カバーデザイン:ヤマシタツトム(ヤマシタデザインルーム)
災害が再び人々を襲う中、「のどか屋」のお助け屋台が粥を振舞い、江戸の町に温かい人情を届けます。困ったときこそ人の心が響く、人情味あふれる作品です。
あらすじ
盗まれた仏像を追う「黒四組」の活躍が繰り広げられる一方、大火に見舞われた人々が助けを求めて「のどか屋」に集まります。千吉を中心とした炊き出し屋台が、粥を通じて江戸の町に絆をもたらし、悲劇の中にも温かな人間ドラマが描かれます。
南町 番外同心 6 若様と師父
牧秀彦
二見書房・二見時代小説文庫
カバーイラスト:蓬田やすひろ
カバーデザイン:ヤマシタツトム(ヤマシタデザインルーム)
本作は、将軍候補であった若様が影の御用「番外同心」として町方の支援を行う物語です。いろいろな時代小説に登場する「若様」が、今作でも読者の心を引きつけます。
蓬田やすひろさんの装画が楽しみなシリーズ。
あらすじ
ある事件をきっかけに番外同心となった若様は、家斉の子・菊千代の指南役も務めつつ、過去を知る師父・玄真と江戸で再会を果たします。玄真を狙う治済の陰謀、兄弟弟子たちとの確執――江戸の町で交錯する運命の糸が、壮大なドラマを生み出します。