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【新着本】吉村喜彦さんの『江戸酒おとこ 小次郎酒造録』

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『江戸酒おとこ 小次郎酒造録』|吉村喜彦|PHP文芸文庫

江戸酒おとこ 小次郎酒造録 (PHP文芸文庫)吉村喜彦(よしむら・のぶひこ)さんの文庫書き下ろしの時代小説、『江戸酒おとこ 小次郎酒造録』(PHP文芸文庫)を本棚にお迎えしました。

料理やグルメを題材にした時代小説は多いものの、江戸時代の酒造りに焦点を当てた作品は珍しく、当時の酒造り工程を描いた本書には独自の魅力があります。


あらすじ
灘の酒蔵から訳あって江戸の造り酒屋・山屋に修業に出された小次郎は、着いて早々に浪人の龍之介と意気投合し、ともに働き始める。ところが山屋は失敗により酒を腐らせ、杜氏や蔵人も去ってしまい、江戸っ子からの信用も失った。山屋再建のため小次郎は龍之介と新たな仲間を集め、挑戦を開始する!一方、龍之介は江戸に生き別れた妻がいると知り……。(『江戸酒おとこ 小次郎酒造録』カバー裏紹介文より)

主人公・小次郎は灘の和泉屋の次男として生まれ、酒造りに人生を懸ける若者。江戸の造り酒屋・山屋で修業に励む彼の奮闘と、彼を取り巻く仲間たちとのドラマが描かれています。

本書の面白さは、酒に対する江戸と灘の価値観の違いにもあります。江戸では水割り酒が一般的であったことが描かれており、その新鮮な視点が物語をいっそう魅力的にしています。

著者・吉村喜彦さんは、サントリー宣伝部での勤務経験を持ち、酒をテーマにした現代小説も手掛けてきた作家。
酒に関する深い知識が存分に活かされた本書は、酒好きの方にもぜひ手に取っていただきたい作品です。読み終えた後は、きっとおいしい日本酒が飲みたくなるでしょう。

江戸酒おとこ 小次郎酒造録

吉村喜彦
PHP研究所・PHP文芸文庫
2024年7月22日 第1版第1刷

装丁:高柳雅人
装画:槇えびし

●目次
なし

本文344ページ
文庫書き下ろし

■今回ご紹介した本

吉村喜彦|時代小説ガイド
吉村喜彦|よしむらのぶひこ|作家 1954年、大阪生まれ。京都大学教育学部卒業後、サントリー宣伝部を経て、1997年に独立して作家に。 2024年、初の時代小説『江戸酒おとこ 小次郎酒造録』を刊行。 時代小説SHOW 投稿記事 著者のホーム...