昨日、神保町の「ほんまる」さんに、本を持ち込むために行ってまいりました。今回は少し時間があったので、1階の「時代小説SHOW」や「日本歴史時代作家協会」の棚だけでなく、地下1階の書棚も見て回りました。
そのような中、「銀書房」さんで、夢枕獏さんの『秘帖・源氏物語 翁 – OKINA』(角川文庫)を手に入れました。平安時代に関心を持っている私としては、気になるタイトルに惹かれて購入しました。
光の君の妻である葵の上に、妖しいものが取り憑く。六条御息所の生霊らしいが、どうやらそれだけではないらしい。並の陰陽師では歯が立たず、ついに外法の陰陽師・蘆屋道満に調伏を依頼するが――。
(『秘帖・源氏物語 翁 – OKINA』(角川文庫)のAmazonの紹介文より)
「えぬま書房」の棚で入手したのが、歴史・時代読物 加州 金城『櫻坂(さくらざか) 三十』です。金沢で出されている歴史・時代同人誌で、歴史時代小説のほかに、歴史小論文も掲載しています。
創刊を担い、地元に根差して活躍されてきた剣町柳一郎(つるぎまち・りゅういちろう)さんが昨秋亡くなられたことを奥様からの年賀状で知って以来、残された作品とともに、同誌の今後が気になっていました。
新たに望月弘さんを主幹に迎えて、この三十号が今年4月に発行されたということを知り、懐かしくもうれしくなりました。
神保町の片隅で、本書を手に取ることができ、「もっと読みたい、もっと書きたい」と最期まで文学を愛された作家の思いが伝わってきて、不思議なつながりを感じました。
普通の本屋さんではなかなか手に入らない、同人誌に出合うことができるのもシェア型書店ならではのことかもしれません。
本書には、江戸後期、回船問屋として加賀国で名を揚げた豪商・銭屋五兵衛を支えた四代の女たちを描いた時代小説『海の百万石 銭屋の女たち』(文芸社文庫)の作者・平野他美(ひらの・たみ)さんも寄稿されています。
■今回ご紹介した本