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「時代小説●2024年6月上旬の新刊情報(文庫)」をアップ

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『海神の子』|川越宗一|文春文庫

海神の子2024年6月1日から6月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2024年6月上旬の新刊(文庫)」を掲載しました。

今回は、川越宗一(かわごえそういち)さんの歴史時代小説、『海神の子』に注目しています。

著者は、2018年に『天地に燦たり』で第25回松本清張賞を受賞し、作家デビュー。2019年発表した『熱源』では、第162回直木賞と第9回本屋が選ぶ時代小説大賞をW受賞しています。さらに、2023年『パシヨン』で第18回中央公論文芸賞を受賞しました。
本書は、2021年に3冊目の単行本として刊行された作品を文庫にしたものです。

中国の海賊と日本人の間に生まれ、自分の居場所を求める孤独な少年・福松(のちの鄭成功)。
弟とともに平戸に預けられていた福松のもとに母・松が迎えに来る。松は、台湾を根城にする大海賊の頭となっていた。

鄭家は割拠する海寇たちや東インド会社を下して力をつけていき、ついには大明国から城と将軍職を与えられるほどに。
しかし、李自成の乱が起こって明は滅亡、清軍が攻めてくる。

鄭成功は、鄭家を守るため、自ら新帝を立てることで「天命」を我がものとしようとするが――。

(『海神の子』(文春文庫)Amazonの内容紹介より)

近松門左衛門作の「国姓爺合戦」で知られる鄭成功とその母・松(マツ)を描いた歴史小説は、胸躍らせる海洋時代小説でもあります。

(残念ながら、現在は絶版になっていますが、)鄭成功の半生を描いた長編小説では、白石一郎さんの『怒濤のごとく』も傑作です。
同書は、1999年に第33回吉川英治文学賞を受賞しました。

時代小説●2024年6月上旬の新刊情報(文庫)
時代小説●文庫新刊情報|2024年6月上旬の新刊(1日→10日) 2024年6月1日から6月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。 →...

■今回ご紹介した本




川越宗一|時代小説ガイド
川越宗一|かわごえそういち|時代小説・作家 1978年、大阪府生まれ。龍谷大学文学部史学科中退。 2018年、『天地に燦たり』で第25回松本清張賞受賞。 2019年、『熱源』で第9回本屋が選ぶ時代小説大賞受賞。2020年、同作で第162回直...