12月14日(木)、第170回直木三十五賞(公益財団法人日本文学振興会主催)の候補作品6作品が発表されました。
村木嵐(むらきらん)さんの歴史時代小説『まいまいつぶろ』(幻冬舎)も候補作品に選ばれました。
今回は、ほかにも歴史時代小説ファンとして気になる候補作品があります。
嶋津輝(しまづてる)さんの『襷がけの二人』(文藝春秋)は、大正から昭和にかけて、二人の女性を描いた長編小説です。
著者は、2016年、「姉といもうと」で第96回オール讀物新人賞を受賞し、受賞作を含む短編集『駐車場のねこ』(『スナック酒場』改題)でデビューした、気鋭の作家。
加藤シゲアキさんの『なれのはて』(講談社)は、令和から昭和、大正へ時代をさかのぼり、一枚の不思議な絵の謎をたどる長編小説。
河﨑秋子さんのともぐい』(新潮社)は、明治後期の北海道を舞台に、熊と闘う猟師の物語。獰猛な野生動物と人との関係について、考えさせられる作品です。
昭和の戦争のあった時代を作品に巧みに取り込んだり、現代の問題点を過去の時代に投影して浮き彫りにさせたりと、作家たちのトライがエンタメ小説の新しい潮流を生み出していくこと期待しています。
加藤シゲアキ『なれのはて』(講談社)
河﨑秋子『ともぐい』(新潮社)
嶋津輝『襷がけの二人』(文藝春秋)
万城目学『八月の御所グラウンド』(文藝春秋)
宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』(朝日新聞出版)
村木嵐『まいまいつぶろ』(幻冬舎)
選考会は、2024年1月17日(水)に開催され、受賞作が発表される予定です。
今回も歴史時代小説から受賞作が出ることを願っています。
出典:
【速報】第170回直木三十五賞候補作が発表されました。 | ニュース
日本文学振興会より、第170回直木三十五賞の候補作が発表されました。選考委員会は、きたる2024年1月17日(水)都内で開催されます。◆選考委員(五十音順) 浅田次郎・角田光代・京極夏彦・桐野夏生・髙…
■今回取り上げた本
村木嵐|時代小説ガイド
村木嵐|むらきらん|時代小説・作家 1967年、京都府京都市生まれ。京都大学法学部卒業。 会社勤務を経て1995年より司馬遼太郎家の家事手伝いとなる。後に司馬遼太郎記念財団理事長で司馬夫人である福田みどりの個人秘書を務める。 2010年、『...