ノンフィクション・ノベルで知られる、作家の西木正明(にしきまさあき)さんが、2023年12月5日、敗血症性ショックで死去されました。83歳でした。
西木さんは秋田県出身で、平凡出版(現在のマガジンハウス)で編集者として活躍された後、1980年に日本ノンフィクション賞新人賞を受賞した『オホーツク諜報船』で作家デビュー。1988年に、『凍れる瞳』と『端島の女』で第99回直木賞を受賞されました。
元巨人軍のピッチャ―、スタルヒンを取り上げた『凍れる瞳』、阿片王・里見甫の生涯を描いた『其の逝く処を知らず』、第13回柴田錬三郎賞(2000年)を受賞した、近衛文麿首相の嫡男文隆を描いた『夢顔(ゆめがお)さんによろしく』など、ノンフィクションノベルの傑作を発表されています。
近年、昭和の太平洋戦争直前の時代を描いた歴史小説を面白く感じることが多くなりましたが、その魁(さきがけ)となった作家で、少し早過ぎたかもしれません。
西木さんは、時代小説にハマる前から、志水辰夫さんとともに、大好きだった作家の一人です。
雪解けの水のような、琴線に触れるウエット感のある文体が好きで、とくに冒険ミステリー小説『スネークヘッド』(講談社文庫)には、ワクワクさせられました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
出典:
直木賞作家の西木正明さん死去 ノンフィクション・ノベルで評価:朝日新聞デジタル
作家の西木正明(にしき・まさあき、本名鈴木正昭〈すずき・まさあき〉)さんが5日、敗血症性ショックで死去した。83歳だった。葬儀は近親者で営む。 1940年、秋田県出身。出版社勤務の後、80年に日本ノ…
■今回紹介している本
西木正明|作品リスト
西木正明|にしきまさあき|作家1940年生まれ。秋田県仙北市出身。早稲田大学教育学部社会科中退後、平凡出版(現マガジンハウス)で編集に携わった後、作家になる。1980年、『オホーツク諜報船』で第7回日本ノンフィクション賞新人賞受賞。1988...