『播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記』|上田早夕里|文春文庫
2023年12月1日から12月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2023年12月上旬の新刊(文庫)」を掲載しました
今月注目しているのは、文春文庫から刊行される、上田早夕里(うえださゆり)さんの時代小説、『播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記』です。
著者は、2023年、戦前の上海を舞台にしたピカレスク小説『上海灯蛾』で第12回日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞し、実績豊かなSF小説に加えて、時代小説でも、今、注目される小説家です。
美しく、時に切ない新たな“陰陽師”ものの誕生!
医術の才に恵まれた兄の律秀と物の怪の姿が見える弟の呂秀は、庶民の病を診て薬を方じ、祈祷で禍を退けながら暮らしている。村に流れる物騒な噂を聞き調べる中で、呂秀は「新しい主」を求める一匹の鬼と出会い――。室町時代の自然豊かな播磨国を舞台に、陰陽師の兄弟が様々な怪異に迫る。珠玉の連作短編集。(『播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記』(文春文庫)Amazonの内容紹介より)
“陰陽師”ものというと、第一人者の夢枕獏さんの「陰陽師」シリーズの影響から、平安時代のものと思いがちですが、本書では、室町時代(第6代足利義教の治世)の陰陽師が主人公です。新しい陰陽師ヒーローに出会えます。
本書収載の「井戸と、一つ火」は、夢枕さんの短編はじめ、新進気鋭の作家による短編を収録した『妖異幻怪 陰陽師・安倍晴明トリビュート』(文春文庫)にも収録されています。
文庫●2023年12月上旬の新刊
時代小説●文庫新刊情報|2023年12月上旬の新刊(1日→10日) 2023年12月1日から12月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています...
■Amazon.co.jp
『播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記』(上田早夕里・文春文庫)
『上海灯蛾』(上田早夕里・双葉社)
『妖異幻怪 陰陽師・安倍晴明トリビュート』(夢枕獏ほか・文春文庫)
上田早夕里|時代小説ガイド
上田早夕里|うえださゆり|小説家 兵庫県出身。2003年、『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞し、デビュー。 2011年、『華竜の宮』で第32回日本SF対象を受賞。 2018年、『破滅の王』で第159回直木賞候補となる。 202...