『岩鼠の城 定廻り同心 新九郎、時を超える』|山本巧次|光文社文庫
2023年10月11日から10月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2023年10月中旬の新刊(文庫)」を掲載しました
今月注目しているのは、光文社文庫から刊行される、山本巧次(やまもとこうじ)さんの文庫書き下ろし時代小説、『岩鼠の城 定廻り同心 新九郎、時を超える』です。
江戸南町奉行所・定廻り同心の瀬波新九郎は腕利きで知られるが、以前、二百年前の戦国時代にタイムスリップをしていた。豊臣秀吉が取り囲んで緊迫するなか、鷹の城と呼ばれる播磨・青野城での密室殺人を見事解決したあと、再び江戸時代に戻っていた。新九郎は、同心としての日常を取り戻し、江戸城下で根津の常磐津の師匠のお涼が首を絞められて殺された一件を調べていた。疑わしい者が何人か挙がり、探索を進めていたところ、またも突然タイムスリップ! はたして飛んだ先は文禄年間の京・伏見だった。関白を経て、いまや太閤となった豊臣秀吉が、甥で関白の秀次を謀叛の疑いありと処刑し、張り詰めた空気が流れていた。そこでは、前回、危機を回避したはずの青野城城主・鶴岡式部が謀叛に連座した疑いをかけられ、窮地に陥っていた。懇意にしていた鶴岡式部の姫・奈津姫にも危機が訪れている。しかも太閤秀吉の側衆が殺されたとの報がはいり、ますます暗雲が立ち込めてきた。はたして、新九郎は殺しの探索に乗り出すのだが……。石田三成、島左近、宇喜多秀家、加藤清正など歴史上の人物が続々登場する異色のシリーズ第二弾!
(『岩鼠の城 定廻り同心 新九郎、時を超える』(光文社文庫)Amazonの内容紹介より)
「八丁堀のおゆう」シリーズでおなじみの著者が、挑むのは江戸の八丁堀同心が「戦国時代」へタイムスリップするという、ユニークな時代ミステリーの第2弾となります。
現代から戦国時代にタイムスリップするという、半村良さんの『戦国自衛隊』が想起されますが、本シリーズでは江戸から戦国時代に遡って時空を超えるというところがポイントで、捕物好きも戦国ファンも楽しめる設定です。
しかも、第1弾の『鷹の城』が天正六年(1578)が舞台で、本書で描かれるのは文禄年間(1592年~1596年)で、14~18年のギャップがあるところも面白い設定です。
主人公の瀬波新九郎がどのような推理を見せるのか、ワクワクします。
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『鷹の城 定廻り同心 新九郎、時を超える』(山本巧次・光文社文庫)(第1弾)
『岩鼠の城 定廻り同心 新九郎、時を超える』(山本巧次・光文社文庫)(第2弾)