『焔と雪 京都探偵物語』|伊吹亜門 |早川書房
2023年8月1日から8月末日の間に、単行本(ソフトカバー含む)で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2023年8月の新刊(単行本)」を掲載しました。
今月は、早川書房から刊行される、伊吹亜門(いぶきあもん)さんの大正ミステリー小説、『焔(ほむら)と雪(ゆき) 京都探偵物語』を紹介します。
大正の京都。伯爵の血筋でありながら一族に忌み嫌われる露木の病弱な体は、日々蝕まれていた。だが祇園祭の宵山も盛りの頃、露木は鯉城に出逢う。頑強な肉体の彼が、外の世界を教えてくれたから、心が救われた。その時から、露木は鯉城のために謎を解く。それが生きる証……
ある日、鯉城は女から恋人のふりをしてほしいとの依頼を受けるが、恋に取り憑かれた相手の男が月夜に女の家に付け火をし、自らに火をつけて焼死したと聞く。男は猟銃を所持していたが、なぜ苦しい死を選んだ? この事態に悩む鯉城のため、露木はあまりに不可思議な男の死の理由を推理する。
その他「鹿ヶ谷の別荘に響く叫び声の怪」や「西陣の老舗織元で起こる男女の愛憎劇の行方」など、京都に潜む愛と欲の情念はさらに渦巻き、鯉城と露木の二人は意外な結末に直面する。(『焔と雪 京都探偵物語』Amazon内容紹介より)
著者は、『刀と傘(明治京洛推理帖)』で、第19回本格ミステリ大賞、「ミステリが読みたい!」第1位&新人賞を受賞し、本格推理ファンから高く支持されている注目のミステリ作家です。
単行本の刊行に先立って、早川書房さんより、プルーフをいただきました。
大正時代の京都を舞台に、本格ミステリの妙味とハードボイルドの興趣が融合した、時代ミステリです。
鹿ヶ谷の別荘に出るという化け物の正体とは? ストーカー男の恋の顛末は? など。
肉体派の鯉城と頭脳派の露木という、好対照な二人の探偵だからこそ、解き明かすことができる事件が大いに楽しめます。
素敵な装画の書影も出て、発売が待ち遠しくなりました。
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『焔と雪 京都探偵物語』(伊吹亜門・早川書房)
『刀と傘』(伊吹亜門・創元推理文庫)