6月16日(金)、第169回直木三十五賞(公益財団法人日本文学振興会主催)の候補作品5作品が発表されました。
歴史時代小説では、垣根涼介さんの『極楽征夷大将軍』(文藝春秋)、永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』(新潮社)が候補作に選ばれました。
『極楽征夷大将軍』は、室町幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史小説。
著者は、『室町無頼』(第156回)、『信長の原理』(第160回)に続いて3回目の候補となります。
『木挽町のあだ討ち』は、芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆が成し遂げた仇討ちの顛末を描いた時代小説。
著者は、『女人入眼』(第167回)に続いて2回目の候補となります。
さらに、今回はファンとして嬉しいのは、『天地明察』などの冲方丁さん、『コルトM1847羽衣』などの月村了衛さんといった、時代小説でも活躍されている作家さんがノミネートされていることです。
★第169回直木賞候補作品
冲方丁さん『骨灰』(KADOKAWA)
垣根涼介さん『極楽征夷大将軍』(文藝春秋)
高野和明さん『踏切の幽霊』(文藝春秋)
月村了衛さん『香港警察東京分室』(小学館)
永井紗耶子さん『木挽町のあだ討ち』(新潮社)
選考会は7月19日(水)に都内にて開催されて受賞作が決まります。
今回もまた、歴史時代小説から受賞作が出ることを願っています。
出典:第168回直木三十五賞候補作品決定!(2023年上半期)|公益財団法人日本文学振興会より
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『極楽征夷大将軍』(垣根涼介・文藝春秋)
『木挽町のあだ討ち』(永井紗耶子・新潮社)

垣根涼介|時代小説ガイド
垣根涼介|かきねりょうすけ|作家1966年、長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年、『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。2004年、『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会...

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永井紗耶子|ながいさやこ|時代小説・作家1977年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。新聞記者を経て、フリーランスライターとして活躍。2010年、「恋の手本となりにけり」(2014年、文庫刊行時に『恋の手本となりにけり』と改題)で、第...