『本売る日々』|青山文平 |文藝春秋
2023年3月1日から3月末日の間に、単行本(ソフトカバー含む)で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2023年3月の新刊(単行本)」を掲載しました。
今月は、文藝春秋から刊行される、青山文平さんの長編歴史小説、『本売る日々』を紹介します。
時は文化5(1822)年。本屋の“私”は月に1回、城下の店から在へ行商に出て、20余りの村の寺や手習所、名主の家を回る。上得意のひとり、小曾根村の名主・惣兵衛は近ごろ孫ほどの年齢の少女を後添えにもらったという。妻に何か見せてやってほしいと言われたので画譜――絵画の教本で、絵画を多数収録している――を披露するが、目を離したすきに2冊の画譜が無くなっていた。間違いなく、彼女が盗み取ったに違いない。当惑する私に、惣兵衛は法外な代金を払って買い取ろうとし、妻への想いを語るが……。
(『本売る日々』Amazon内容紹介より)
著者は、2016年、『つまをめとらば』で第154回直木三十五賞を受賞し、近年も2022年に『底惚れ』で第17回中央公論文芸賞と第35回柴田錬三郎賞を受賞し、優れた作品を産み出し、時代小説界をリードするトップランナーの一人です。
紹介文によれば、本書では、「江戸期の富かさは、村にこそ在り。」と、
「農村は貧しい」という従来の江戸時代の固定観念を覆し、江戸の農村に光を当てています。
彼らの生活や人生を、本を行商する本屋を語り部にすることで生き生きと伝えていき、読みごたえのある物語を堪能したいと思います。
単行本★2023年3月の新刊
単行本★時代小説新刊情報|2023年3月の新刊(1日→末日) 2023年3月1日から3月末日の間に、単行本(新書含む)で刊行される時代小説、歴史関連書の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンク...
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『本売る日々』(青山文平・文藝春秋)
『底惚れ』(青山文平・徳間書店)
青山文平|時代小説ガイド
青山文平|あおやまぶんぺい|時代小説・作家 1948年生まれ。神奈川県横浜市出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。 1992年、『俺たちの水晶宮』で第18回中央公論新人賞を受賞。 2011年、『白樫の樹の下で』で第18回松本清張賞を受賞...