1月19日(木)、第168回直木三十五賞(公益財団法人日本文学振興会主催)の選考会が開催され、小川哲(おがわさとし)さんの『地図と拳』(集英社)と千早茜(ちはやあかね)さんの『しろがねの葉』(新潮社)が受賞作に決まりました!
小川さん、千早さん、直木賞受賞おめでとうございます!
小川さんはSFジャンルでデビューされ、第162回『噓と正典』に続く、2回目の候補での受賞となりました。
『地図と拳』は、日露戦争前夜から第2次大戦までの50年、満洲の、白地図のような名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮で綴られる歴史空想小説です。
『しろがねの葉』は、戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師に拾われた女性の一生を描いています。著者初の時代小説です。
千早さんは、第150回『あとかた』、第151回『男ともだち』に続く、3回目の候補での受賞となります。
お二人とも、これまでの活動領域を拡大させて、歴史を扱った小説で受賞されたことが時代小説ファンとしてはうれしい限りです。
時代小説というジャンルの、プロレスのように様々な要素を取り入れる懐の深さ、融通性、面白さをあらためて気づかせてくれます。
出典:第168回直木三十五賞候補作品決定!(2022年下半期)|公益財団法人日本文学振興会より
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『地図と拳』(小川哲・集英社)
『しろがねの葉』(千早茜・新潮社)
千早茜|時代小説ガイド
千早茜|ちはやあかね|作家1979年生まれ。北海道出身。立命館大学卒業。2008年、「魚」で第21回小説すばる新人賞受賞。受賞後『魚神』と改題して単行本デビュー。2009年、『魚神』で第37回泉鏡花文学賞受賞。2013年、『あとかた』で第2...