『童の神(6)|今村翔吾原作・深谷陽漫画|双葉社
今村翔吾さんのベストセラー小説『童の神』を原作とする、歴史時代漫画の単行本『童の神(6)』をご恵贈いただきました。
原作となった『童の神』は、平安時代を舞台に、異民族として京人に虐げられ、朝廷にまつろわぬ「童(わらべ)」と呼ばれる者たちの、自由と尊厳を懸けた戦いを描く、エンタメ歴史小説です。
桜暁丸が望んだ朝廷との和議は成立せず、源頼光率いる大軍勢が大江山へ押し寄せる。童たちは健闘するものの、徐々に追いつめられていく……。
桜暁丸は仲間たちに語りかける。
「俺は人を諦めない。それが我らの戦いだ」
すべての虐げられた者のための戦い、圧倒的な感動をもたらす完結編!!(『童の神(6)』カバー裏面の紹介文より)
長和三年(1014)如月。
京人に鬼と呼ばれ、酒吞童子の名で恐れられる桜暁丸(おうぎまる)。
しかし、童も京人もともに生きようと、帝に和議を結ぼうと試みるが、あと一歩のところで夢は破れました。
それから三年後。
摂政藤原道長は、帝に大江山征伐を奏上し討伐の詔が出ました。
源頼光が率いる朝廷軍が大江山を囲み、大軍相手に桜暁丸らの最後の戦いが始まります……。
激しい戦いの中にありながら、百年後、千年後を見据えて、「俺は人を諦めない。それが我らの戦いだ」と語る、桜暁丸の姿に目頭が熱くなりました。
本書には、藤原保昌が大江山討伐軍の副将として登場します。
保昌は、人と人に違いなどないと貧しい者や虐げられた者を救ってきた藤原保輔(盗賊袴垂)の兄とも言われています。
また、保昌の妻は歌人で恋多き女といわれる和泉式部です。
そのことを知っているとニヤリとさせられる場面も描かれていました。
今村翔吾さんの原作小説は、アクションシーンが多くて場面が目に浮かびやすい特徴があります。このコミック化により、その美質がいっそう凝縮され増幅されました。
初めて今村作品に触れる方はもちろん、小説のファンの方も読了時の感動が蘇るコミックです。
『童の神(6)』
原作:今村翔吾
漫画:深谷陽
2022年12月12日 第1刷発行
●目次
第二十五話 禱りの詩 其ノ弐
第二十六話 童の神 其ノ壱
第二十七話 童の神 其ノ弐
第二十八話 童の神 其ノ参
最終話 童の神 其ノ四
初出:「月刊アクション」2022年7月号~9月号、11月号、12月号
■Amazon.co.jp
『童の神(1)』(今村翔吾原作、深谷陽漫画・双葉社・アクションコミックス)
『童の神(2)』(今村翔吾原作、深谷陽漫画・双葉社・アクションコミックス)
『童の神(3)』(今村翔吾原作、深谷陽漫画・双葉社・アクションコミックス)
『童の神(4)』(今村翔吾原作、深谷陽漫画・双葉社・アクションコミックス)
『童の神(5)』(今村翔吾原作、深谷陽漫画・双葉社・アクションコミックス)
『童の神(6)』(今村翔吾原作、深谷陽漫画・双葉社・アクションコミックス)
『童の神』(今村翔吾、時代小説文庫)