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ねこだすけは人助け。人と猫との縁を結ぶ「福猫屋」店開き

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『福猫屋 お佐和のねこだすけ』|三國青葉|講談社文庫

福猫屋 お佐和のねこだすけ三國青葉(みくにあおば)さんの文庫書き下ろし時代小説、『福猫屋 お佐和のねこだすけ』(講談社文庫)をご恵贈いただきました。

著者は、2012年「朝の容花(かおばな)」で第24回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、『かおばな憑依帖』と改題しデビュー。最近では、幽霊が見える兄と聞こえる妹が活躍する霊感時代小説『損料屋見鬼控え』シリーズが好評です。

夫を亡くして塞ぎ込むお佐和の家に、一匹の野良猫が迷い込む。福と名づけたその猫の面倒を見るうちに心癒され、すぐに子猫も生まれてお佐和は立ち直っていく。そんなある日、福に「ネズミ捕り」の依頼が舞い込み、お佐和は猫への恩返しとなる新商売を思いつく。江戸のペット事情を描く、書下ろし時代小説!

(『福猫屋 お佐和のねこだすけ』カバー裏の説明文より)

本書は、今、話題の猫時代小説です。
帯に入っている「猫への恩返しで始めた商いが、江戸の動物好きの心を温める――」というキャッチコピーが、猫好き、時代小説好きの心をくすぐります。

主人公のお佐和は、十五歳上で錺職人の親方をしていた夫を亡くしたばかりの、子どもいない三十五歳のお佐和。踏ん張ってやり遂げた夫の四十九日の法要を終えると、緊張の糸が切れて何もする気がおこらず、何も食べる気になれず、日がな一日夜具をかぶって寝ていました。

そんなお佐和の前に現れたのは、お腹が大きくて子を宿しているらしい小柄なキジトラ猫でした。

物語は、お佐和と福と名付けられたキジトラ猫を中心に展開していきます。
読み始めたばかりですが、福が登場すると、すぐに温かい気持ちになり、癒されそうです。

イラストレーターの東久世(あずまひさよ)さんが描く表紙の猫ちゃんたちが登場する、初回限定の特製・猫しおりが付いていました。本を開くたびにニンマリとしています。

福猫屋 お佐和のねこだすけ

三國青葉
講談社 講談社文庫
2022年11月15日第1刷発行

カバー装画:東久世
カバーデザイン:鈴木久美

●目次
第一話 ねこだすけ
第二話 ねこまみれ
第三話 ねこづくし

本文218ページ

書き下ろし。

■Amazon.co.jp
『福猫屋 お佐和のねこだすけ』(三國青葉・講談社文庫)
『損料屋見鬼控え1』(三國青葉・講談社文庫)

三國青葉|時代小説ガイド
三國青葉|みくにあおば|時代小説・作家 神戸市出身。お茶の水女子大学大学院理学研究科修士課程修了。 2012年、「朝の容花(かおばな)」で第24回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、『かおばな憑依帖』と改題しデビュー。 ■時代小説SH...