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江戸幕府260年の礎を築いた叡智。名言でたどる家康の生涯

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『超約版 家康名語録』|榎本秋編訳|ウェッジ

超約版 家康名語録榎本秋(えのもとあき)さん編訳の歴史読み物、『超約版 家康名語録』(ウェッジ)をご恵贈いただきました。

著者は、文芸評論家として活躍するかたわら、歴史に関する読み物や解説書を多数執筆されています。一方で、福原俊彦名義で『平賀源内江戸長屋日記』などの時代小説も発表されています。

生涯にわたり忍従を強いられるなかで、様々な気付きを得てきた家康は、現代において組織を導くリーダーから、苦境・逆境に立たされている人まで、じつに学ぶべき点は多い。
「負けても負けても最後には必ず勝つ」という精神は、コロナや自然災害、格差、戦争で不安な世情を生きる現代人がこれからを見据えるうえでも有意義であろう。
本書は家康の人と思想をうかがい知ることができて、現代人にも示唆に富む珠玉の名言を60項目厳選。ドラマで描かれるシーンと重ねつつ、平易な現代語で解説するもの。

(『超約版 家康名語録』Amazonの説明文より)

2023年のNHK大河ドラマ「どうする家康」の放送にあわせての出版ですが、家康の言葉を通じて、その生涯や考え方、人間像に迫るという歴史読み物となっています。

本書は、家康の生涯の節目に合わせて、第一章「若き日の苦難」(松平氏の後継者として生まれてから独立、西三河の雄として台頭するまで)、第二章「力を蓄える」(織田信長の同盟者として武田信玄らと戦いながら勢力を拡大する時期から本能寺の変まで)、第三章「時を待つ」(本能寺の変直後から豊臣政権重鎮と認められるまで)、第四章「天下を取る」(秀吉の死から関ヶ原の戦いに勝って江戸幕府創設まで)、第五章「太平の世を開いて死す」(大坂の陣で豊臣家を滅ぼして、生涯を閉じるまで)の五章から構成されています。

収載されている家康の名言は全部で六十本。
時系列順に読むことで、家康の生涯を俯瞰できるとともに、そのときどきの視座や考え方も伝わってきます。

人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。

家康の名言というと、『東照公ご遺訓』の一節がおなじみですが、本書は超約版ということで、「人の一生は重荷を背負って遠くへ行くがごとし。急ぐべからずおうなものだ」とわかりやすい表現で解説されています。

また、ビジネスパーソン向けの出版が多い、ウェッジらしく、家康の名言をビジネスに生かす編訳者コメントもついています。

家康の遺訓に光を当てた歴史時代小説には、吉川永青さんの『家康が最も恐れた男たち』もあります。

超約版 家康名語録

榎本秋編訳
ウェッジ
2022年11月20日初版第1刷発行

装幀:佐々木博則

●目次
はじめに
第一章 若き日の苦難
第二章 力を蓄える
第三章 時を待つ
第四章 天下を取る
第五章 太平の世を開いて死す
おわりに
参考文献
徳川家康年譜

本文155ページ

■Amazon.co.jp
『超約版 家康名語録』(榎本秋編訳・ウェッジ)
『家康が最も恐れた男たち』(吉川永青・集英社文庫)

榎本秋|歴史読み物リスト
榎本秋|えのもとあき(福原俊彦)|作家・文芸評論家・出版プロデューサー1977年、東京都生まれ。書店員、編集者を経て、作家事務所・榎本事務所を設立。2014年より、福原俊彦名義で時代小説を発表する。■時代小説SHOW 投稿記事明治維新の原動...