『歴史街道 2022年12月号』|PHP研究所
歴史雑誌、『歴史街道 2022年12月号』(PHP研究所)を紹介します。
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の最終回は、2022年12月18日の第48回だそうです。
史実では、この後、北条義時が執権をつとめる鎌倉幕府は、三代将軍源実朝の暗殺を経て、承久の乱で朝廷と対立することになっています。
三谷幸喜さんのドラマがどのような展開を見せるのか、まったく予想ができません。
とはいえ、鎌倉時代の歴史の知識があれば、もっと楽しめるはず。
今月の特集1は、〈「承久の乱」の真実〉です。
大河ドラマの最後の見どころになるであろう大乱が、
いかに引き起こされ、どのような経過を辿ったのか。
最新研究をもとに、北条義時、北条政子、後鳥羽上皇、御家人など、
主要人物の真意に迫りつつ、この乱の実相と歴史的意義をひもときます。特集2は、〈三国志最後の勝者 司馬懿と後継者たち〉。
「名将・諸葛亮の好敵手」として知られる司馬懿とその後継者たちはなぜ、
戦乱の世を制することができたのでしょうか。
司馬一族の知られざる実像に迫ります。特別企画は、〈戦国乱世・姫たちの政略結婚とその後〉。
戦国時代の大名家の姫たちは様々な思惑が絡み合った結婚を強いられ、
中には婚姻後、婚家と実家が対立して、離縁される例も……。
過酷な運命と向き合った戦国の姫たちをご紹介します。
好評連載〈漫画家に聞く〉には、『ゴールデンカムイ』の野田サトル氏が登場!(Amazonの内容紹介文より)
承久三年(1221)、後鳥羽上皇が北条義時追討の院宣を下し、承久の乱が勃発します。
後鳥羽上皇はなぜ院宣を下したのでしょうか?
実朝暗殺事件は、その決断にどのように影響したのでしょうか?
この戦いは鎌倉幕府方の圧勝で終息し、その後の国政の在り方を大きく変容させる大事件となりました。
谷津矢車さんが、三浦義村(ドラマでは山本耕史さんが演じている)の弟・三浦胤義を掌編に描いています。
幕府の重鎮の肉親でありながら、後鳥羽上皇に味方した胤義の苛烈な運命に迫ります。
幕府軍の総大将として、出軍する北条泰時を描いた、秋山香乃さんの原稿も引き込まれました。
最新の研究をもとに、乱の真相に迫る、読み応えのある特集です。
特別企画では、作家の諸田玲子さんが、前田家の三姉妹の戦いについて書いています。
『麻阿と豪』の世界が深く楽しめます。
今号も、大河ドラマや歴史時代小説がわかりやすくなる、歴史読み物がいっぱいでした。
歴史街道 2022年12月号
PHP研究所
2022年11月6日発行
表紙画:黒鉄ヒロシ
アート・ディレクション:ウエル・プランニング
●目次
巻頭グラビア この人に会いたい 柿澤勇人
特集1
「承久の乱」の真実
――最新研究から見えてくるもの
序論・後鳥羽上皇は、なぜ義時追討の院宣を下したのか 坂井孝一
北条義時■朝敵とされた男が目指していたもの 山本みなみ
北条政子■「尼将軍」の有した影響力とその実像とは 小野翠
御家人たち■京方・鎌倉方に分かれた者、それぞれの選択 中丸満
挙兵した京方、出陣する鎌倉方…日本が揺れた一ケ月 榎本秋
北条泰時■朝廷に弓引く決死の出軍――大乱がこの男を変えた 秋山香乃
三浦胤義■上皇の裏切り、兄・義村との対面、そして… 谷津矢車
古戦場、供養塔…岐阜県に承久の乱の面影を求めて
VISUAL 「鎌倉殿の13人」に見る乱前夜
好評連載 漫画家に聞く 野田サトル
アイヌ、新選組、陸軍…金塊は誰の手に!?
連載小説
万、已むを得ず 幸田真音
連作読切小説 戦国武将×四十七都道府県29 金上盛備×福島県 雅なる執権 今村翔吾
特別企画 戦国乱世・姫たちの政略結婚とその後
麻阿、豪、千世 前田家を担った三姉妹の戦い 諸田玲子
列伝 離別、再婚…思いがけない人生を送った女性たち 鈴木由紀子
読み物
遥かなる鎌倉の名刀――“黄金期”誕生の背景に迫る 小島つとむ
新渡戸稲造――変革期こそ見直すべき「真の国際人」 藤井茂
西郷隆盛の「敬天愛人」思想はこうして生まれた 童門冬二
特集2
三国志最後の勝者 司馬懿と後継者たち
なぜ魏の実権を握り、三国を統一できたのか 渡邉義浩
一族の命運をかけた政変…その心中にあったもの 武内涼
本文130ページ
■Amazon.co.jp
『歴史街道 2022年12月号』(PHP研究所)