8月のとある一日、午後から時間ができたので、思い立って川越を訪れました。
前回観光で訪れたのが2006年でしたので、実に17年ぶりです。
今回は、12時40分発の特急小江戸号に乗れなかったので、12時51分西武新宿駅発川越行き急行列車でスタート。
本川越駅→昼食→川越城本丸御殿→三芳野神社→川越市立博物館→旧山崎家別邸というルートで見学しました。
川越見学の第一歩は腹ごしらえ。というわけで、本川越駅近くのひびき庵本川越駅前店で、ランチメニューの東松山名物みそだれやきとりプレートを食べました。
東松山名物というみそだれのやきとりがおいしく、鶏の鎖骨の肉をから揚げにしたVチキンも美味で感動。「みそだれ秘伝」をお土産に購入しました。
食べ過ぎた感のあるお腹を抱えて、川越城本丸御殿へ。
川越城(河越城)は、長禄元年(1457)に、扇谷上杉持朝の命で家臣の太田道真・道灌親子が築いたといわれています。
太田道灌の生涯を辿るなら、幡大介さんの歴史小説『騎虎の将 太田道灌 上・下』がおすすめ。
戦国時代は、扇谷上杉氏と抗争の末に、北条氏が河越城を手に入れました。
江戸時代に入ると、三河譜代の古参、酒井重忠が1万石で封じだれて川越藩を立藩しました。以降、歴代の藩主は、酒井雅楽頭家分家→堀田正盛→大河内松平家(智恵伊豆こと松平伊豆守信綱など)→柳沢吉保→秋元家→越前松平家松井松平家となります。
五代将軍徳川綱吉の寵臣、柳沢吉保も川越藩主をつとめています。
梶よう子さんの『赤い風』は、川越藩主の柳沢吉保を描いた歴史時代小説です。
見学できたのが玄関と広間、使者や物頭などの詰め所と家老詰所でした。大書院や藩主が政務を執る場がなく違和感を覚えましたが、建物の多くは現存しておりません。明治維新で取り壊されたんですかね。
本末御殿の東に、三芳野神社があります。三芳野は川越の旧地名で、素盞烏尊(すさのおのみこと)・奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、菅原道真・誉田別尊(ほんだわけのみこと)を祀っていて、童謡「通りゃんせ」の舞台と言われています。
川越城の二の丸跡にあるのが、川越市立博物館です。
《原始・古代》川越のあけぼの、《中世》武士の活躍と川越、《近世》小江戸川越、《近・現代》近代都市川越の発展、《民俗》川越の職人とまつりの5つの展示スペースから構成されています。
中世展示室では、川越地方の武家社会の成立と有力武士の活躍を中心に展示しています。近世展示室では、木像の天海僧正の坐像が約四百年の時を超えてな迫力で室内に目を光らせていました。
天海を主人公にした歴史小説では、三田誠広さんの『天海』がおすすめです。
最後に立ち寄ったのが、大正・昭和初期を代表する和洋折衷住宅、旧山崎家別邸です。
川越の老舗菓子店「亀屋」の五代目山崎嘉七の隠居所として大正14年(1925)に建てられました。
二階につながる階段に施された、鳥をモチーフにした大きなステンドグラスが印象的です。
三菱の丸の内赤煉瓦オフィス街の設計を行った建築家保岡勝也氏の作品です。川越には、第八十五銀行本店(現在は埼玉りそな銀行川越支店)、山吉デパート(現在は保刈歯科醫院)とともに現存しています。
帰りは、お約束のCOEDOビールを買い込んで、西武鉄道のレッドアロー号で一路西武新宿駅に向けてGo。
久しぶりに訪れた川越で衝撃を受けたのは、浴衣姿の若いカップルの多さでした。まるで休日の竹下通りのよう。みなさん、浴衣デートを楽しんでいるんですね。
川越氷川神社も参拝したかったのですが、激混みで参道まで行って断念しました(笑)。
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『騎虎の将 太田道灌 上』(幡大介・徳間文庫)
『騎虎の将 太田道灌 下』(幡大介・徳間文庫)
『赤い風』(柳沢吉保・文春文庫)
『天海』(三田誠広・作品社)