『童の神(5)|今村翔吾原作・深谷陽漫画|双葉社
今村翔吾さんの小説『童の神』を原作とする、歴史時代漫画の単行本『童の神(5)』をご恵贈いただきました。
原作となった『童の神』は、平安時代を舞台に、異民族として京人に虐げられ、朝廷にまつろわぬ「童(わらべ)」と呼ばれる者たちの、自由と尊厳を懸けた戦いを描く、歴史時代エンターテインメント小説です。
直木賞作家によるベストセラー小説を完全コミック化。大江山に集った各地の童たちは、桜暁丸をリーダーに選出する。虐げられた童の希望となった桜暁丸は、いつしか「酒呑童子」と呼ばれ、朝廷に恐れられる存在となっていく。そして童出身の武将・坂田金時が率いる朝廷軍が、童の旗を掲げた桜暁丸たちと美作で対峙する…! 人の尊厳を懸けて立ち上がる童たち。いよいよ大詰めへ向かう第5巻!!
粛慎、畝火、滝夜叉……、大江山に結集した童たちは、桜暁丸を大江山の首領に選び、全国の朝廷に虐げられる民たちと団結していくことを決めました。
童への差別がなく、皆が手を賭を取り合う、戦のない世を作るために。
流転の果てに大江山の首領となった桜暁丸を、京では酒呑童子の名で恐れられ忌み嫌われました。
葛城・畝傍の戦いから六年が経過した、寛弘八年(1011)秋、童たちの反乱は続き、朝廷軍は敗戦続きでした。そんな中で、征西の大将となった坂田金時は、美作国勝田荘で、童の奇襲を受け、指揮する桜暁丸と一対一の対決をすることに……。
5巻の表紙装画に描かれているのが、畝火(うねび)の頭・毬人の息子で高い戦闘能力を持つ欽賀と星哉の兄弟です。
今村さんの原作本も読んでいますが、原作に忠実な完全コミック化で、戦闘シーンの迫力や登場人物たちのビジュアルイメージが強烈に増幅され、物語がより一層ドラマチックなものになっていきます。
残りはあと1巻。大詰めを迎える第5巻が楽しみです。
『童の神(5)』
原作:今村翔吾
漫画:深谷陽
2022年8月10日 第1刷発行
●目次
第二十話 流転 其ノ四
第二十一話 黒白の神酒 其ノ壱
第二十二話 黒白の神酒 其ノ弐
第二十三話 黒白の神酒 其ノ参
第二十四話 禱りの詩 其ノ壱
初出:「月刊アクション」2022年2月号~2022年6月号
■Amazon.co.jp
『童の神(1)』(今村翔吾原作、深谷陽漫画・双葉社・アクションコミックス)
『童の神(2)』(今村翔吾原作、深谷陽漫画・双葉社・アクションコミックス)
『童の神(3)』(今村翔吾原作、深谷陽漫画・双葉社・アクションコミックス)
『童の神(4)』(今村翔吾原作、深谷陽漫画・双葉社・アクションコミックス)
『童の神(5)』(今村翔吾原作、深谷陽漫画・双葉社・アクションコミックス)
『童の神』(今村翔吾、時代小説文庫)