文楽(人形浄瑠璃)研究の第一人者で、早稲田大学名誉教授の内山美樹子(うちやまみきこ)先生が2022年8月3日、心不全のため死去されました。82歳でした。
劇評論文集の『文楽 二十世紀後期の輝き―劇評と文楽考』は、1965年から2000年まで35年間にわたり、読売新聞連載の新聞劇評を収録し、貴重な文楽史となっています。
文楽(人形浄瑠璃)を題材にした時代小説では、大島真寿美さんの『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』がおすすめです。
その時代小説で描かれたのは劇作家の近松半二。
『近松半二 奇才の浄瑠璃作者』では、内山先生のインタビューのほか、松井今朝子さんの寄稿文も掲載されています。読んでみたくなりました。
個人的な話ですが、学生時代に内山先生の「日本演劇史」の授業を一年間取っていました。卒業後も新聞などで、先生のお名前を見かけるたびに懐かしく思い出されました。
松井今朝子さんの追悼文「内山美樹子先生を偲ぶ」に触れて、哀悼の思いがこみ上げてきました。
天に召された先生の安らかな眠りを心からお祈り申し上げます。
松井今朝子ホームページ: 内山美樹子先生を偲ぶ
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『文楽 二十世紀後期の輝き―劇評と文楽考』(内山美樹子・早稲田大学出版部)
『近松半二 奇才の浄瑠璃作者』(早稲田大学坪内博士記念演劇博物館監修、原田真澄編著・春陽堂書店)
『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』(大島真寿美・文春文庫)