『ふたりの道 小間もの丸藤看板姉妹(五)』|宮本紀子|時代小説文庫
2022年8月1日から8月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2022年8月上旬の新刊(文庫)」を掲載しました
お盆休みを目前に、恒例の新刊ラッシュ、時代小説ファンにとっても好きな本がじっくり読める楽しみなシーズンです。
今回は、時代小説文庫から刊行される、宮本紀子さんの連作時代小説集、『ふたりの道 小間もの丸藤看板姉妹(五)』を取り上げてみました。
残暑の頃。小間物商「丸藤」の手代として信頼厚い吉蔵が、実家の味噌屋の主となるため、店を去ることになった。
吉蔵を敬愛する総領娘の里久は、動揺を隠せない。吉蔵は主・藤兵衛に、「私の次の手代は里久お嬢さんに」と進言。
今まで自らが丸藤で培ってきたすべて、商人としての自覚と自信を里久に教えこむことを、最後の奉公とさせてほしいと頭を下げる。
商いに向き合う里久の奮闘、妹・桃の嫁入り、そして里久の縁談……成長した看板姉妹の物語、感動のシリーズ完結篇。(『ふたりの道 小間もの丸藤看板姉妹(五)』(時代小説文庫)Amazonの内容紹介より)
人情に厚く前向きお転婆な惣領娘の里久と、伊勢町小町と呼ばれ、おしゃれでおしとやかな妹の桃。対照的ながらも仲の良い看板姉妹の二人が、さまざまな事件を通じて、小間物商「丸藤」を盛り立てていきます。
二人の活躍に心がじんわりとする、お気に入りのシリーズですが、今回で完結ということで心して読みたいと思います。
本シリーズのもうひとつの愉しみは、おとないちあきさんの表紙装画。
今回は七夕をモチーフにした色鮮やかな中に、二人の艶やかな姿と未来を見つめたしっかりした眼差しが印象的です。
姉妹の衣装と趣向を凝らした粋な構図に胸がキュンキュンします。
■Amazon.co.jp
『跡とり娘 小間もの丸藤看板姉妹』(宮本紀子・時代小説文庫)(第1巻)
『妹の縁談 小間もの丸藤看板姉妹(二)』(宮本紀子・時代小説文庫)(第2巻)
『寒紅と恋 小間もの丸藤看板姉妹(三)』(宮本紀子・時代小説文庫)(第3巻)
『雛のころ 小間もの丸藤看板姉妹(四)』(宮本紀子・時代小説文庫)(第4巻)
『ふたりの道 小間もの丸藤看板姉妹(五)』(宮本紀子・時代小説文庫)(第5巻)