『女人入眼』|永井紗耶子|中央公論新社
2022年4月1日から4月末日の間に、単行本(ソフトカバー含む)で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2022年4月の新刊(単行本)」を掲載しました。
今月は、中央公論新社から刊行される、永井紗耶子(ながいさやこ)さんの『女人入眼(にょにんじゅげん)』を紹介します。
『商う狼 江戸商人 杉本茂十郎』で、第10回(2020年度)本屋が選ぶ時代小説大賞、第3回(2020年度)細谷正充賞、第40回(2021年度)新田次郎賞を受賞し、今、大注目の作家が描く鎌倉時代小説です。
「大仏は眼が入って初めて仏となるのです。男たちが戦で彫り上げた国の形に、玉眼を入れるのは、女人であろうと私は思うのですよ」
建久六年(1195年)。京の六条殿に仕える女房・周子は、宮中掌握の一手として、源頼朝と北条政子の娘・大姫を入内させるという命を受けて鎌倉へ入る。気鬱の病を抱え、繊細な心を持つ大姫と、大きな野望を抱き、それゆえ娘への強い圧力となる政子。二人のことを探る周子が辿り着いた、母子の間に横たわる悲しき過去とは――。
「鎌倉幕府最大の失策」と呼ばれる謎多き事件・大姫入内。
その背後には、政治の実権をめぐる女たちの戦いと、わかり合えない母と娘の物語があった。(『女人入眼』Amazon内容紹介より)
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で今年、注目の鎌倉時代。
著者が題材として取り上げたのは、北条政子とその娘大姫の女人二人。
しかも、これまで描かれることが少なかった、母娘の葛藤と大姫の入内を描きます。
紹介文にある、「男たちが戦で彫り上げた国の形に、玉眼を入れるのは、女人であろう」という言葉に、鎌倉の女の想いが込められ、物語世界へ誘われていきます。
政子と大姫がドラマで今後どのように描かれていくかも気になります。
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『女人入眼』(永井紗耶子・中央公論新社)
『商う狼 江戸商人 杉本茂十郎』(永井紗耶子・新潮社)