『維新の終曲』|岡田秀文|双葉社
2022年3月1日から3月末日の間に、単行本(ソフトカバー含む)で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2022年3月の新刊(単行本)」を掲載しました。
今月は、双葉社から刊行される、岡田秀文さんの『維新の終曲』を紹介します。
著者は、1999年、短編の「見知らぬ侍」で第21回小説推理新人賞を受賞し、2001年、『本能寺六夜物語』で単行本デビューされています。2002年に第5回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した『太閤暗殺』をはじめ、室町から戦国時代を舞台にしたミステリータッチの歴史時代小説で活躍されてきました。
最近は、『伊藤博文邸の怪事件』から始まる「名探偵月輪シリーズ」など、明治以降の近代を舞台にした歴史ミステリーを発表しています。
幕府軍として新政府に最後まで抵抗した元旗本の中野梧一。
維新後、その才能を井上馨に買われた中野は山口県令に抜擢され、かつての仇敵・長州へと赴く。
その中野の命を農民出身の元奇兵隊士・卓介が狙うが・・・・・・。
維新後の新しい世の中に翻弄される二人の男を描いた歴史ミステリー。(『維新の終曲』Amazon内容紹介より)
本書で描かれる中野梧一(旧名斎藤辰吉)は、幕臣として勘定組頭などをつとめた後に、戊辰戦争では抗戦継続派として、箱館戦争に参戦した人物。明治四年に新政府に出仕し、初代山口県令に登用されました。
その波瀾に富んだ経歴で、明治政府や財界での人物です。歴史ミステリーの名手がどのような物語を紡ぎ出すのか、興味が尽きない新作です。
元幕府軍と奇兵隊で戦った男が、明治維新後に立場を変えて、長州で相まみえることに。どのような運命が待ち構えているのでしょうか。
■Amazon.co.jp
『維新の終曲』(岡田秀文・双葉社)
『本能寺六夜物語』Kindle版(岡田秀文・双葉文庫)
『太閤暗殺』(岡田秀文・双葉文庫)
『伊藤博文邸の怪事件』(岡田秀文・光文社文庫)