『あきない世傳 金と銀(十二) 出帆篇』|高田郁|時代小説文庫
2022年2月11日から2月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2022年2月中旬の新刊(文庫)」を掲載しました
今回は、高田郁さんの、大河小説、『あきない世傳 金と銀(十二) 出帆篇』(時代小説文庫)を取り上げてみました。
浅草田原町に「五鈴屋江戸本店」を開いて十年。
藍染め浴衣地でその名を江戸中に知られる五鈴屋ではあるが、
再び呉服も扱えるようになりたい、というのが主従の願いであった。
仲間の協力を得て道筋が見えてきたものの、決して容易くはない。
因縁の相手、幕府、そして思いがけない現象。
しかし、帆を上げて大海を目指す、という固い決心のもと、
幸と奉公人、そして仲間たちは、知恵を絞って様々な困難を乗り越えて行く。
源流から始まった商いの流れに乗り、いよいよ出帆の刻を迎えるシリーズ第十二弾!!(『あきない世傳 金と銀(十二) 出帆篇 (時代小説文庫)』Amazonの内容紹介より)
第1巻の源流から水の量が次第に増え、岩にぶつかったり流れを大きく変えたりしながら、大河になっていく物語は、前作(第11巻)で河口の湊から帆を上げてより大海に船出していくイメージに変わりました。
仲間たちと痛みを分かち合い、じっと力を蓄えて風待ちの時を耐え、この出帆の巻では、五鈴屋の幸主従にどのような運命が待ち構えているのか楽しみでなりません。
本シリーズは、私にとっては仕事と人生の要諦に気づかせてくれる大切な作品です。そして、毎回のように、泣かせてもらえるのも、楽しみの一つです。
■Amazon.co.jp
『あきない世傳 金と銀 源流篇』(高田郁・時代小説文庫)(第1作)
『あきない世傳 金と銀(十一) 風待ち篇』(高田郁・時代小説文庫)(第11作)
『あきない世傳 金と銀(十二) 出帆篇』(高田郁・時代小説文庫)(第12作)