『六つの村を越えて髭をなびかせる者』|西條奈加|PHP研究所
2022年1月1日から1月末日の間に、単行本(ソフトカバー含む)で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2022年1月の新刊(単行本)」を掲載しました。
今月は、PHP研究所から刊行される、西條奈加さんの『六つの村を越えて髭をなびかせる者』を紹介します。
本当のアイヌの姿を、世に知らしめたい―― 時は江戸中期、老中・田沼意次が実権を握り、改革を進めていた頃。幕府ではロシアの南下に対する備えや交易の促進などを目的に、蝦夷地開発が計画されていた。 出羽国の貧しい農家に生まれながら、算学の才能に恵まれた最上徳内は、師の本多利明の計らいで蝦夷地見分隊に随行する。そこで徳内が目にしたのは厳しくも美しい北の大地と、和人とは異なる文化の中で逞しく生きるアイヌの姿だった。イタクニップ、少年フルウらとの出会いを通して、いつしか徳内の胸にはアイヌへの尊敬と友愛が生まれていく……。 松前藩との確執、幕府の思惑、自然の脅威、様々な困難にぶつかりながら、それでも北の大地へと向かった男を描いた著者渾身の長編小説!
(『六つの村を越えて髭をなびかせる者』Amazon内容紹介より)
北海道出身の著者が、江戸時代に九度蝦夷地に渡った実在の冒険家・最上徳内をいかに描くのか、興味津々の新刊です。
最上徳内は、宝暦四年(1754年)に出羽国の貧しい農家の長男として生まれ、天保七年(1836年日)に亡くなっています。
徳内は、司馬遼太郎さんの『菜の花の沖』にも登場し、宇江佐真理の『蝦夷拾遺 たば風』に収録された短編「錦衣帰郷」では主人公として描かれています。
ずっと、気になっていた歴史上の人物の一人ですので、本書の刊行が楽しみです。
■Amazon.co.jp
『六つの村を越えて髭をなびかせる者』(西條奈加・PHP研究所)
『新装版 菜の花の沖(三)』(司馬遼太郎・文春文庫)
『蝦夷拾遺 たば風』(宇江佐真理・文春文庫)