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鎌倉殿の時代に、執権北条義時が一人勝ちできた理由とは

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『執権義時に消された13人―闘争と粛清で読む「承久の乱」前史』|榎本秋|ウェッジ

執権義時に消された13人―闘争と粛清で読む「承久の乱」前史作家で文芸評論家、出版プロデューサーの榎本秋(えのもとあき)さんの歴史読み物、『執権義時に消された13人―闘争と粛清で読む「承久の乱」前史』(ウェッジ)をご恵贈いただきました。

本書は、2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代を理解するために役立つ一冊です。ドラマの主人公、北条義時にスポットを当て、彼とかかわり歴史の舞台から消えていった将軍、御家人、上皇まで13人を取り上げてその事績を紹介し、同時代を読み解いています。

間違いないのは、北条氏の繁栄に至る過程で屍の山が築かれた、ということだ。その中には時政や義時が武力や陰謀を駆使して排除したものもいるし、彼らの敵対勢力によって取り除かれたものもいる。不幸な死としか呼べないケースもあった。本書ではその中から、同時代を舞台にした二〇二二年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にちなんで、十三人の人物をピックアップした。彼らの生涯を知ることで、鎌倉時代初期が一体どんな時代だったのか、その中で北条氏がいかに生き残ったかがくっきりと浮かび上がることだろう。

(『執権義時に消された13人―闘争と粛清で読む「承久の乱」前史』「プロローグ」P.4より)

本書では、北条時政、梶原景時、比企能員ら、「鎌倉殿の13人」のほか、阿野全成、畠山重忠、平賀朝雅ら、気になる人物にも光を当てて、いかに歴史から消されたかを綴っています。

 人は付き合う相手をその権力や財力でも選ぶけれど、一方で信頼できるか、背中を預けられるか、でも選ぶ。生きていくために何かしらの陰謀・策謀を駆使する必要もあるかもしれない。野心や闘志をむき出しにし、「俺はこういうことがやりたい」「もっと出世して大きな仕事がしたい」とアピールするべき瞬間もあるだろう。しかしそれらをやりすぎると、周囲から人が離れることがある。

(『執権義時に消された13人―闘争と粛清で読む「承久の乱」前史』P.45より)

本書は、月刊オピニオン誌「Wedge」を発行し、ビジネスパーソン向けの出版に力を入れているウェッジから刊行されています。

著者は、現代ビジネスや社会生活に使えるヒント集としても役立つように、鎌倉時代初期の混乱の時代を生きた人物たちから教訓を引き出し、混迷の時代を生きるわたしたちの参考になるように執筆しています。

執権義時に消された13人―闘争と粛清で読む「承久の乱」前史

榎本秋
ウェッジ
2021年11月20日初版第1刷発行

装幀・組版:佐々木博則

●目次
プロローグ
序章 「鎌倉殿の十三人」と合議制

第一章 頼朝側近・有力御家人を次々排した北条氏
北条時政 一族繁栄の礎を築くも実子義時に追放された謀略家
梶原景時 頼朝の寵臣として権勢を振るうも讒言を機に失脚した御家人
阿野全成 実質的には将軍・北条氏対立の巻き添えを食らった頼朝の弟
比企能員 将軍外戚として権勢を誇るも北条氏の謀略で謀反人とされた御家人
源頼家 後ろ盾の比企氏を失い北条氏により追放、暗殺された二代将軍

第二章 合議制で台頭し実父を排した義時
畠山重忠 北条時政の陰謀により謀反人に仕立て上げられた悲劇の武士
平賀朝雅 北条時政が将軍に擁するも義時に殺害された頼朝の猶子
宇都宮頼綱 謀反を疑われるも出家することで難を逃れた有力御家人

第三章 三代将軍を排し執権政治を確立した義時
泉親衡 千手丸を擁し義時打倒を画策するも逐電した御家人
和田義盛 義時の挑発で挙兵するも一族ともに滅亡に追いやられた御家人
源実朝 義時の関与も疑われる公暁に暗殺された三代将軍

第四章 倒幕勢力をねじ伏せ幕府を盤石にした執権義時
後鳥羽上皇 義時追討の院宣を出すも承久の乱に敗れ配流となった悲劇の上皇
三浦胤義 義時と対立し上皇方についた三浦一族の御家人

終章 執権義時を消したのは誰か
エピローグ
主要参考資料

本文215ページ

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『執権義時に消された13人―闘争と粛清で読む「承久の乱」前史』(榎本秋・ウェッジウェッジ)

榎本秋|歴史読み物リスト
榎本秋|えのもとあき(福原俊彦)|作家・文芸評論家・出版プロデューサー 1977年、東京都生まれ。書店員、編集者を経て、作家事務所・榎本事務所を設立。 2014年より、福原俊彦名義で時代小説を発表する。 ■時代小説SHOW 投稿記事 明治維...