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「2021年9月上旬の新刊(文庫)」をアップ

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『鎌倉燃ゆ 歴史小説傑作選』|細谷正充編|PHP文芸文庫

鎌倉燃ゆ 歴史小説傑作選2021年9月1日から9月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2021年9月上旬の新刊(文庫)」を掲載しました。

今回は、細谷正充さんの編による、歴史時代小説アンソロジー、『鎌倉燃ゆ 歴史小説傑作選』(PHP文芸文庫)を取り上げてみました。

2022年のNHK大河ドラマで注目される鎌倉時代前半を舞台にした、短編を選りすぐっています。

鎌倉幕府草創期から、二代将軍源頼家の時代に始まった宿老ら十三人による合議制を経て、三代将軍実朝の暗殺、承久の乱まで――。
流されるように生きてきた北条義時が人生を賭けた大勝負に出る「水草の言い条」(谷津矢車)、“讒訴の奸物”となった梶原景時の生き様を描く「讒訴の忠」(吉川永青)、権謀術数うずまく幕府において、畠山重忠が坂東武者の誇りを見せる「重忠なり」(矢野隆)など、実力派作家七人によるアンソロジー。

(『鎌倉燃ゆ 歴史小説傑作選 (PHP文芸文庫)』Amazonの内容紹介より)

大河ドラマでは、鎌倉時代の草創期から承久の乱まであたりが描かれそうですが、1979年の「草燃える」以来となり、時代劇でも取り上げられることは少なく、取っつきにくくて馴染みの薄い時代と思われる方も少なくないと思われます。

この時代を扱った歴史時代小説はさほど多くありません。
長編小説では、永井路子さんの『炎環』『北条政子』などが挙げられますが、短編はなかなか読む機会がありません。

本書では、時代小説の目利きで文芸評論家の細谷正充さんが鎌倉時代小説の傑作短編をセレクトしました。
秋山香乃さん、谷津矢車さん、矢野隆さん、吉川永青さんらの気鋭作家に加え、安部龍太郎さんや往年の歴史作家滝口康彦さんまで取り上げています。

なかでも注目は、1997年に『鎌倉擾乱』で第5回中山義秀文学賞を受賞された、高橋直樹さん。復刊してほしいです。

来年の大河ドラマに備えて、鎌倉時代の予習を始めたいと思います。

文庫●2021年9月上旬の新刊
時代小説●文庫新刊情報|2021年9月上旬の新刊(1日→10日) 2021年9月1日から9月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。 →...

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『鎌倉燃ゆ 歴史小説傑作選』(細谷正充編・PHP文芸文庫)
『炎環』(永井路子・文春文庫)
『北条政子』(永井路子・文春文庫)
『鎌倉擾乱』(高橋直樹・文春文庫)

細谷正充編|時代小説ガイド
細谷正充|ほそやまさみつ|文芸評論家・書評家 1963年生まれ。 時代小説、ミステリーなどのエンターテインメントを対象に、評論・執筆。 自宅に17万冊という膨大な書庫を持つ蔵書家。 2018年より、優れたエンターテインメント小説5作品を選出...