第165回直木三十五賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が2021年7月14日(水)都内で開催され、候補作5作品の中から澤田瞳子(さわだとうこ)さんの『星落ちて、なお』と佐藤究(さとうきわむ)さんの『テスカトリポカ』の2作品が受賞作に決まりました。
おめでとうございます!
『星落ちて、なお』は、不世出の絵師・河鍋暁斎を父に持ち、明治に活躍した女絵師、河鍋暁翠の数奇な人生を描いた長編歴史時代小説です。
不世出の絵師、河鍋暁斎が死んだ。残された娘のとよ(暁翠)に対し、腹違いの兄・周三郎は事あるごとに難癖をつけてくる。早くから養子に出されたことを逆恨みしているのかもしれない。
暁斎の死によって、これまで河鍋家の中で辛うじて保たれていた均衡が崩れた。兄はもとより、弟の記六は根無し草のような生活にどっぷりつかり頼りなく、妹のきくは病弱で長くは生きられそうもない。
河鍋一門の行末はとよの双肩にかかっっているのだった――。(Amazonの内容紹介より)
澤田さんは、第153回『若冲』、第158回『火定』、第161回『落花』、第163回『能楽ものがたり 稚児桜』に続く、5度目のノミネートでの受賞となります。
最近の、歴史時代小説分野のおける目覚ましい活躍から納得の結果と思います。
個人的には、歴史時代小説の名手で、多くの著作をもつ澤田ふじ子さんの長年来のファンなので、お嬢さんである著者の著者の受賞をとてもうれしく思います。
公益財団法人日本文学振興会
直木三十五賞の最新情報ページです
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『星落ちて、なお』(澤田瞳子・文藝春秋)
『テスカトリポカ』(佐藤究・KADOKAWA)
『若冲』(澤田瞳子・文春文庫)
『火定』(澤田瞳子・PHP文芸文庫)
『落花』(澤田瞳子・中央公論新社)
『能楽ものがたり 稚児桜』(澤田瞳子・淡交社)
澤田瞳子|時代小説ガイド
澤田瞳子|さわだとうこ|時代小説・作家1977年、京都府生まれ。同志社大学文学部卒業、同大学院博士前期課程修了。2010年、『孤鷹の天』でデビューし、同作で第17回中山義秀文学賞を受賞。2013年、『満つる月の如し 仏師・定朝』で第2回本屋...