『歴史人2021年2月号』|ABCアーク
歴史の魅力を全力で伝える、月刊エンターテインメントマガジン、『歴史人2021年2月号』(ABCアーク)を入手しました。
「歴史人」を久々に手にしたところ、出版元がベストセラーズから、ABCアークに変わっていました。
ABCアークは、朝日放送テレビの100%子会社。『歴史人』を中核に新たな事業を開始し、全国の自治体や団体、企業などと連携し、「地域の魅力」をコンテンツ化し、地域活性化を進めていくことを目的に設立されたそうです。
特集は――
天皇家から戦国武将、そしてあなたの先祖まで日本人のルーツをたどる!
「名字と家紋の真実」長い歴史を経て今に伝わる名字と家紋をたどることは、日本人の歴史をひもとくことであり、己のルーツを知る手がかりでもある。特集では、飛鳥時代の藤原鎌足にまで遡り、名字のはじまりから、平安時代に貴族の牛舎につけられた家紋、そして明治時代の名字義務化まで。名字と家紋が、どのようにして誕生し、変遷したか、歴史やランキングをもとに日本人の名字と家紋の真を解き明かす!
(「歴史人」サイトの紹介文より)
A
歴史時代小説を読んでいると、大名や旗本などの家を表す家紋が文字で出てくることがあります。
徳川家の三つ葉葵や真田家の六文銭などは、すぐにイメージができるものもありますが、信長の織田木瓜や秀吉の五七桐紋など、ぼんやりしかイメージができません。
「沢瀉(おもだか)」とか「剣片喰(かたばみ)」とか「違い釘抜(くぎぬき)」とか、家紋を見てもよくわからなかったので、本誌の特集でスッキリとわかりました。
「二頭波頭である。合戦の極意は波のおとし、とわしは信じている。(後略)」
(『国盗り物語』第二巻「三段討」より)
『国盗り物語』に描かれている斎藤道三が作ったオリジナル家紋「二頭立浪紋」など、起業家が会社のロゴマークを作る感覚でユニークです。
戦のない江戸時代の家紋は、幕府の階級制度に沿った儀礼的な使用が主となる。『寛永諸家系図伝』や『寛政重修諸家譜』は文字のみの史料だったが、それを補ったのは民間発行の武鑑だった。武鑑は大名や旗本の氏名、官位、城地、石高など多くの情報を集めたもので、その最上段に家紋が描かれている。武士達も公務上必要な知識を得られるため、実用書として買い求めた。
(『歴史人2021年2月号』「名字と家紋と印章の歴史をたどる」高澤等/監修・文 P.24より)
江戸の人たちは、武鑑をガイドブックに、五節句や八朔など定例登城をする大名を見物したりしていたんですね。
「合戦図屏風で学ぶ、名将の「旗印・馬印」」の記事では、敵味方の識別に用いられた戦場のシンボルが説明されています。
こちらも読んでおくと、戦国歴史小説を読む際に、合戦風景がビジュアライズされて臨場感が増すことと思われ、おすすめの記事です。
圧巻の「日本の名字ランキングBEST1000」から、「戊辰戦争と明治維新に名を残した人物の名字と家紋100」、綴じ込み付録「日本人の家紋ランキングBEST100」シールまで、おなか一杯になるまで家紋が出てきて、永久保存版です。
歴史人2021年2月号
ABCアーク
2021年1月6日発売
題字:武田双雲
表紙デザイン:FROG KING STUDIO
家紋イラスト協力:大野信長
●目次
保存版特集 名字と家紋の真実
名字と家紋と印章の歴史をたどる
信長・秀吉・家康 天下人たちの家紋に秘められた謎
名前の仕組み 徹底解説!
隣国との外交、家臣団の統制、朝廷工作など 名将10人の家紋に込めた戦略
あなたの知らない家紋15の秘密
合戦図屏風で学ぶ! 名将の「旗印・馬印」
名字からあなたの先祖が丸わかり 令和版日本人の名字ランキングBEST1000
秘めたる「名字」の歴史をひもとく
歴史の命運を揺るがせた「花押」と「印」の真相
現存する名古屋城の3大櫓に迫る!!
綴じ込みステッカー 令和版! 日本人の家紋BESET100
本文127ページ
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『歴史人2021年2月号』(ABCアーク)
『国盗り物語(二)』(司馬遼太郎・新潮文庫)