『コルトM1847羽衣』|文春文庫
2020年11月1日から11月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2020年11月上旬の新刊(文庫)」を掲載しました。
今回は、月村了衛(つきむらりょうえ)さんの『コルトM1847羽衣』(文春文庫)を取り上げてみました。
第17回(2015年)大藪春彦賞受賞した『コルトM1851残月』に続く、江戸の暗黒街に生きる主人公を描くシリーズ第2弾です。
大藪春彦賞は、ハードボイルド小説・冒険小説に分類される小説に与えられる賞で、時代小説では、同じ第17回に青山文平さんの『鬼はもとより』が受賞したほか、第9回に北重人さんの『蒼火』が受賞しています。
女渡世人の羽衣お炎は、失踪した思い人・信三郎を追って佐渡へと渡った。軽業師のおみんを味方に得たお炎は、邪教集団“オドロ党”が跋扈する島の実態に戦慄する。佐渡奉行に薩摩浪士もからむ、謎また謎。金山の底で背中の切り札、最新式コルトM1847が火を噴いた! 正統時代伝奇×ガンアクション、シリーズ第2弾。
(『コルトM1847羽衣 (文春文庫)』Amazonの内容紹介より)
今回の主人公は、女侠客羽衣(はごろも)お炎(えん)。
表紙装画(多分ヤマモトマサアキさんの絵)には、コルトM1851を持ったお炎が描かれていて、かっこ良すぎてドキドキします。
『コルトM1851残月』は、裏組織を裏切られた“残月の郎次”が、最新式回転拳銃コルトM1851で、壮絶な戦いに挑むフィルムノワールのような小説でした。
本書『コルトM1847羽衣』では華やかなヒロインお炎が新型の短筒を手に、颯爽と活躍するアクションエンターテインメント時代小説になっています。
一気読みで楽しみたい作品です。
■Amazon.co.jp
『コルトM1847羽衣』(月村了衛・文春文庫)
『コルトM1851残月』(月村了衛・文春文庫)
『鬼はもとより』(青山文平・徳間文庫)
『蒼火』(北重人・文春文庫)