『ゴー・ホーム・クイックリー』|文春文庫
2020年9月1日から9月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2020年9月上旬の新刊(文庫)」を掲載しました。
今回は、吉田茂首相とダグラス・マッカーサー連合国軍最高司令官の表紙イラストが目を引く、中路啓太さんの『ゴー・ホーム・クイックリー』(文春文庫)を取り上げます。
著者は、『ミネルヴァとマルス 昭和の妖怪・岸信介』、『昭和天皇の声』など、最近、昭和史をテーマにした歴史小説を発表されています。
その時代を生きた人が多く現存する、「昭和」を描いた小説を歴史小説に含めるのが妥当なのかどうかは、意見が分かれるところです。
しかしながら、史実によりながらもフィクションを織り込んでいく、著者の表現手法は、歴史小説、そのものと思います。
終戦後の昭和21年2月、内閣法制局の佐藤達夫は突然、憲法問題担当大臣に呼び出された。新憲法の日本政府案をGHQが拒否し、英語の草案を押し付けてきたという。その邦訳やGHQとの折衝を命じられた彼は、白洲次郎らと不眠不休で任務に当たる――。
現憲法の成立までを綿密に描く、熱き人間ドラマ。
今こそ読むべき「日本国憲法」誕生の物語。(『ゴー・ホーム・クイックリー (文春文庫)』Amazonの内容紹介より)
戦争を知らない者の一人として、8月は戦争について学び、終戦後の平和と復興を考える機会としています。
終戦後に、日本国憲法がいかにして誕生したのか、成立にかかわった人々の熱いドラマを読んでみたいと思います。
文庫●2020年9月上旬の新刊
時代小説●文庫新刊情報|2020年9月上旬の新刊(1日→10日) 2020年9月1日から9月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。 →...
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『ゴー・ホーム・クイックリー』(中路啓太・文春文庫)
『ミネルヴァとマルス 上 昭和の妖怪・岸信介』(中路啓太・KADOKAWA)
『昭和天皇の声』(中路啓太・文藝春秋)
中路啓太|時代小説ガイド
中路啓太|なかじけいた|時代小説・作家 1968年、東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程を単位取得の上、退学。 2006年、『火ノ児の剣』で第1回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し作家デビュー。 2015年、『もののふ莫迦』で...